2011 Fiscal Year Annual Research Report
最適レイアウトによる流体軸受スピンドルの角度動剛性の強化と薄型スピンドルの開発
Project/Area Number |
22560148
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
落合 成行 東海大学, 工学部, 准教授 (40407995)
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Keywords | トライボロジー / 機械力学 / 機械要素 / 設計工学 / 最適設計 / 情報機器 |
Research Abstract |
本研究では,流体軸受の角度動剛性(角度弾性係数と角度減衰係数の合成値にて算出)強化による情報機器用スピンドルの薄型化を実現することを目的とする.また同時にその実験的評価法の確立も目指す.ハードディスクドライブ(以下HDDと呼ぶ)などの情報機器は今後,装置の小型化よりもむしろ薄型化を志向していくと予測される.その際,高回転精度を確保するために角度動剛性の強化が課題になると考えられる.しかしながら薄型スピンドルにおいては軸受を配置できるスペースが限られるため,その実現は容易ではない.そこで本課題では,限られた空間の中に適切に軸受を配置する最適設計法を開発し,角度動剛性の最大化による薄型スピンドルの開発を目指している. 本年度は,角度剛性を評価するための試験法の検討のために揺動試験を実施した.揺動試験については,流体軸受スピンドルモータを搭載した冶具をソレノイドモータに接続して揺動加振を行う装置を設計・制作し,FFTを用いて加振角加速度を変化させた際のスピンドルのパラレルモード及びコニカルモードの応答を取得した.またNRRO測定についても実施した.静電容量式非接触変位系によりラジアル方向およびアキシアル方向のスピンドルの変位を取得できる装置を新たに製作した.一般に,HDDスピンドルのNRRO測定は外部振動を除去した定常状態で行われるが,本研究ではスピンドルを固定した台に衝撃を与えた非定常状態におけるNRROの所得を新たに実施した.一方理論的検討として,角度動剛性を考慮したスラスト軸受の解析を実施した.軸受油膜の揺動方向およびこれと90°位相のずれた方向における角度剛性及び角度減衰係数の算出及び4自由度の応答特性の計算が可能となった.今後は,上記計算モデルによる最適レイアウトの検討を行い,制作した試験装置を用いて実験的検証を実施する.また,スピンドルの薄型化についても検討する計画である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請時に予定した揺動実験に加えてNRRO測定実験について実施した.スピンドルの実験検証手法の確立の意味では進展があった.概ね順調に進んでいるが,最適レイアウトの検討がやや遅れている状況にある.現在,角度剛性を考慮した解析モデルに目処が付き最適レイアウトの計算を進めている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,計算モデルを用いて最適レイアウトについて検討する予定である.現在,ジャーナル軸受およびスラスト軸受の角度剛性を考慮したモデルを構築できたため,最適レイアウトの計算を進めている.
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Research Products
(9 results)