2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560152
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Research Institution | Fukui National College of Technology |
Principal Investigator |
加藤 寛敬 福井工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (30311020)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | トライボロジー / 摩擦表層 / 微細組織 / トライボメタラジー / 耐摩耗性 |
Research Abstract |
摩擦表層の金属学的研究(トライボメタラジー、Tribo-metallurgy)により、摩擦条件と表層組織との関係を明確にし、ナノ結晶化・組織微細化する摩擦表層の生成条件やその物性を明らかにする。さらに、その摩擦を利用した超微細組織金属表層の摩耗特性を評価し、耐摩耗性・耐凝着性に優れた摩擦表層を開発してトライボロジ-分野への応用の可能性を探ることを研究目的としている。最終年の平成24年度は、摩擦表層のトライボロジー特性の評価に重点を置いた。また、摩擦表層の微小領域の硬さを評価する必要が生じたので、共用設備として超微小硬度計を購入した。 ピンオンディスク摩擦試験により摩擦表層を生成したS45Cピンと旋盤加工のままのS45Cディスクを用い、摩擦速度0.1m/s、負荷荷重19.6Nの条件で摩耗テストを行った。その結果、 (1)大気中で試験荷重49N、摩擦速度0.05~3.0m/sと変化させてピンオンディスク摩擦試験した炭素鋼(S45C)を用いて摩耗試験を行った結果、摩擦速度が1.0m/s、3.0m/sのピンでは終始マイルド摩耗が続き、耐摩耗性に優れる結果となった。それ以外ではマイルド摩耗からシビア摩耗に変化した。 (2)真空中で摩擦速度0.05m/s、0.5m/sで摩擦試験したピンを用いて摩耗試験を行った結果、0.5m/sでは終始マイルド摩耗が続き、耐摩耗性に優れる結果となった。 (3)摩耗試験において終始マイルド摩耗が続いた試験片では、フェライト粒、パーライト粒が光顕で全く観察できない超微細組織と、その下に塑性流動組織が観察された。また、この超微細組織では硬度が大幅に上昇しており、大気中においてはピンの摩擦後方部に、真空中においてはピンの摩擦前方部に生成された。これは、大気中ではピン表面の摩擦方向への塑性変形、真空中では超微細組織となった摩耗粉の凝着により生成したためと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)