2011 Fiscal Year Annual Research Report
細長い領域における流れの数値計算法の開発とその災害予測への応用
Project/Area Number |
22560157
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
河村 哲也 お茶の水女子大学, 理事・副学長 (40143383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 祐子 お茶の水女子大学, 情報基盤センター, 講師 (60365070)
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Keywords | 流体 / シミュレーション工学 / 自然災害 / 防災 |
Research Abstract |
本研究はアスペクト比の非常に大きい領域における流れの有効的な数値計算法の開発とその災害予測への応用を目的とする。代表者が考案した単純な条件の元で成功している細長い領域における流れの数値計算法を、自由表面を含む流れと熱を含む流れに拡張し、防災に関連する諸問題に応用する。 本研究で提案する数値計算法は、細長い領域での層流を1次元流れ+摂動に分け、摂動部分に関する方程式を解くという方法である。初年度の基礎的な研究を基にして、本年度は実際の河川や地下鉄構内などへの応用を念頭においた複雑形状の領域に対して研究を行った。具体的には、以下の領域を扱った。 (1)直線境界の細長い領域における3次元流れ (2)合流をもつ細長い領域における3次元流れ (3)分岐をもつ細長い領域における3次元流れ (4)波型の境界をもつ細長い領域における3次元流れ (5)細長い3次元領域の内部に障害物がある場合 自由表面を含む流れについては(1)(2)を、熱を含む流れについては(1)を論文にまとめて投稿、ともに査読を受けて雑誌に掲載された。査読の際、細長い領域の流出入口における境界条件についての指摘を受け大幅に加筆した。その後、熱を含む流れについては(3)(4)(5)に関して学会発表を行った。また、この拡張による問題点の抽出を行うとともにその解決を図った。 本年度は、初年度に購入したノートPCおよび大型計算機を用いて計算を行った。また、専門家との研究連絡や資料収集、学会発表のための旅費も経費に計上した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、実用的な問題に適用することを念頭に、複雑な形状の領域における計算を行う計画であった。
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Strategy for Future Research Activity |
今までの研究を基に、実用的な問題(河床変動やそれに伴う氾濫、地下鉄構内における火災など)を想定した計算を行う。なお、熱を含む流れについて、障害物の後ろにおける計算の不安定性が指摘されているため、解決を図る。
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