2010 Fiscal Year Annual Research Report
次世代風車設計・開発用の流体-振動連成解析ツール構築
Project/Area Number |
22560164
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
長谷川 豊 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (20198732)
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Keywords | 風力発電 / 水平軸風車 / 数値解析 / 流体-振動連成解析 / 屋外実験 / 風況精査 |
Research Abstract |
本研究は次世代大型水平軸風車の設計・開発に必要となる「流体-振動連成解析ツール」を構築することを目的とし、以下の研究課題を遂行することにより、解析ツールの提案・妥当性検証を行うものである。 ・風車構造系の振動モデル構築と流体系空力解析モデルとの連成 ・小型風力タービン実験に基づくデータ取得と連成解析モデル妥当性評価 ・風車出力と風況の相関解析と空力解析モデルの妥当性評価 平成22年度は以下の3項目につき研究実施・研究準備を行った。 1. 数値解析:渦格子法に基づき風車翼・風車タワーを含めた流体解析モデルを構築すると共に、ロータ翼のフラップ方向(回転軸方向)とエッジ方向(回転方向)の振動につき、マルチボディ・ダイナミックス法に基づき振動解析モデルを構築した。さらに、流体-振動連成解析を実施して、タワーと風車翼のポテンシャル干渉による翼負荷への影響を調べた。その結果、翼フラップ方向モーメントの変動成分にはタワーの影響が顕著に現れるのに対し、翼エッジ方向モーメントへの影響は小さいことが判明した。 2. 小型風車実験システム構築:空力・振動解析モデルの検証データを取得するために、屋外小型風力タービンを設計・製作した。小型風車ロータをモータ駆動し、回転数とトルクを計測するシステムを構築した。また、大型風車ロータを模擬するために、ロータ回転数制御ならびに翼ピッチ角制御機構を備えたシステムを構築中であり、ロータ回転数制御に伴う空力動特性に関して実験を開始した。 3. 風況精査と風車出力特性計測:超音波風向風速計システムを導入し、風車への流入風速・風向と風車出力を20Hzの周波数で長期間同時計測するシステムを構築した。
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