2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560166
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
辻本 公一 三重大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10243180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 俊剛 三重大学, 大学院・工学研究科, 助教 (30273345)
社河内 敏彦 三重大学, 大学院・工学研究科, 特任教授 (10024605)
鬼頭 みずき 奈良工業高等専門学校, 電子制御工学科, 助教 (00550401)
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Keywords | Jet / DNS / Low-dimensional model / Coherent structure / Mixing / Vector control / DMD / POD |
Research Abstract |
工学機器において,混合,伝熱,化学反応等の促進のための基本的な手段として噴流が用いられてきた.制御しなければならない流れ場が従来に比べ多様化し,機器の大幅な負荷変動に柔軟に対応すること,あるいは機器のコンパクト化,微小化にあわせた効率的な噴流混合手法の開発が求められている.本研究では従来手法のような噴流自身の不安定性に依存するのでなく噴流を強制的に制御する能動制御に着目し,その一方法として噴流を周期的に振動させるベクトル制御を提案した.本年度はさらに空間一様性を高めた回転モード制御を行った噴流のDNS(Direct Numerical Simulation)を行い,瞬時の渦構造を評価した結果,渦構造がらせん状に分布すること,回転周波数に対応してフローパターンはらせん状から渦塊状の分布に変化すること,エントロピーによる混合指標を用いた混合特性を評価した結果,制御により混合が著しく促進されることなど,提案する手法の有効性を定量的に明らかにした. 多数のパラメータを含む制御特性の効率的な評価を行うためには高精度な低次モデルの開発が必要である.低次化の手法として最新の構造分析手法であるDMD法(Dynamic Mode Decomposition Method)について,従来から多用されているSnapshot POD法(POD : Proper Orthogonal Decomposition)と特性の比較を行い,円形噴流に対する構造解析結果から,Snapshot POD法とDMD法におけるエネルギー強さに基づく低次モードは同様の構造的性質を持つことを明らかにした.DMD法で抽出されるダイナミックモードは従来から指摘されているpreferred modeの周波数と対応し,DMD法により噴流の基本的な動特性を示す流れ構造が抽出されることを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
低次モデル化のためのモデルの基盤技術である,POD法や最新のDMD法に関する構造分析技術の有する特性を中心に検討を行い,必要な低次化のための基礎技術は確立させたが,低次化のための数学モデルの検討に時間がかかっており,具体的な低次モデルの評価への道のりが厳しい状況にある.一方,制御手法については独自に提案しているベクトル制御を軸に検討を進め,当初よりも多彩な制御手法の可能性を見出している.以上から,総合的に判断し,(3)と判定した.
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Strategy for Future Research Activity |
多数噴流の効率的制御のため,低次モデルの構築とその最適制御を目指した.しかしながら低次化のための数学モデルの構築の検討において非定常3次元場の演算量が膨大であり,モデルの検討が容易ではないものとなっている.このことから,低次化モデルの検討を本来の主旨に戻し,二次元場や時間発展場のような計算負荷の少ない単独噴流場を中心に低次化の検討を行うことで,基本となるモデル化技術,制御技術を早急に開発する.また,順調に開発を進めてきた噴流制御手法であるベクトル制御については単独噴流での方法論の多様化をすすめると同時に,多数化された自由噴流や衝突噴流の混合特性や伝熱特性についても検討を開始し,効果的な制御手法の提案を積極的に進める.
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Research Products
(5 results)