2011 Fiscal Year Annual Research Report
フォトブリーチング分子タグ法による気泡流乱れエネルギ収支計測と乱流モデルの高度化
Project/Area Number |
22560167
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
細川 茂雄 神戸大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (10252793)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨山 明男 神戸大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30211402)
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Keywords | 乱流 / 分子タグ / 気泡流 |
Research Abstract |
気泡を含む工業機器・システムの設計・開発を支援できる数値予測手法の高精度化が望まれている。本研究では、瞬時局所速度と速度勾配を同時計測できるフォトブリーチング分子タグ法を用いて、気泡を含む流れ場内の乱流特性を詳細に把握し、乱れエネルギ輸送方程式の各項に及ぼす気泡の影響を調べるとともに、気泡が液相乱れに及ぼす影響をモデル化し、気泡乱流の数値予測精度を向上することを目的とする。 本年度は、前年度取得したサブミリサイズの気泡流における乱流特性、乱れエネルギ収支データに加え,1ミリ程度の気泡流における乱流特性、乱れエネルギ収支実験データを取得し、気泡径が乱れエネルギ収支に及ぼす影響を調べた。この際、再現性の高いミリサイズ気泡流を実現するため実験装置における気泡注入部を改良するとともに、前年度までに開発した計測システムを改良しミリサイズ気泡流への適用性を高めた。その結果、気泡誘起擬似乱れによる乱れエネルギ生成率は気液間運動量輸送に基づくモデルにより概ね評価できること、気泡径が1ミリ程度の気泡は強い揚力によりバッファ層から粘性底層付近を流動するため、壁面せん断流誘起乱れの生成機構に及ぼす影響が大きいこと、および気泡は乱れエネルギの拡散率に影響を及ぼす可能性があることがわかった。また、前年度開発した基盤数値計算コードに導入する抗力、揚力モデルを検討するとともに、気液間運動量輸送に基づく乱れエネルギ生成モデルを導入することにより気泡誘起擬似乱れによる乱れエネルギの変化傾向を予測できることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に述べたとおり,当初の計画内容に関して着実に結果が得られており,また,査読付国際学術雑誌論文にも成果報告されており,これは客観的に有意義な成果が得られている事を示すものである.このまま順調に研究が進めば,次年度1年間で,申請時の目標を実現できると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
順調に成果が得られており,今後も研究計画に従い気泡乱流に関する知見の深化と気泡乱流モデルの高度化を推進する.ただし,今年度得られた結果から,ミリサイズ気泡の影響がマイクロサイズ気泡の影響に比べ,より乱流特性に大きな影響を与える可能性が高いため,当初のマイクロサイズ気泡よりもミリサイズ気泡に主眼を置いて研究を推進した方が当初目的の実現により適切と考えられる.
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Research Products
(7 results)