2010 Fiscal Year Annual Research Report
乱れの空間相関計測による高速高数密度噴霧における渦構造の解明
Project/Area Number |
22560172
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
植木 弘信 長崎大学, 生産科学研究科, 教授 (30160154)
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Keywords | 液体微粒化 / レーザー2焦点流速計 / 燃料噴霧 / 液滴分裂モデル / ウエーバー数 / 液滴速度 / 液滴サイズ / 相対速度 |
Research Abstract |
1.マイクロプローブの構築 (1)光学系:光学系のビームスプリッタを新たに設計・製作することにより2つの焦点により構成されるレーザーマイクロプローブを構築した。波長635nmの赤色半導体レーザーを光源とし2焦点間距離S=20μmとした。焦点直径F=約3μm、焦点長さL=約20μmである。2つの焦点における液滴からの後方散乱光はそれぞれの焦点に対応する2個のアバランシェフォトダイオードに導かれる。 (2)信号処理系:液滴が2つの焦点を飛行する時間t1、液滴が焦点で散乱する時間t2、および液滴が検出される時刻を計測する信号処理系をFPGA (Field Programmable Gate Array)を用いて新たに設計・製作した。アバランシェフォトダイオードによって液滴からの後方散乱光を電気信号に変換し、飛行時間t1により速度u(=S/t1)を求め、散乱時間t2により液滴サイズdp(=u・t2-F)を求めた。 2.高速噴霧コア部微粒化過程の計測 本年度は、コモンレール燃料噴射システムを用いて噴射される液体燃料噴霧において、噴射圧を80、100および120MPaに設定し、背圧を大気圧から5MPaに設定した基礎実験を行った。計測位置を噴孔から6mm~25mmとし、計測された速度、サイズ、およびデータレートの時系列データに相関スロット法を適用して、渦構造を調査した。その結果、液滴速度の乱れ積分時間スケールはサイズおよびデータレートの時間スケールに比べて約2倍であること、また、速度、サイズおよびデータレートのスケールは噴孔から下流に向かって大きくなることを明らかにした。さらに、噴孔から9mm~13mmにおける計測結果から、液滴の分裂で生じた小サイズ液滴は噴霧外縁へ移動するものと判断された。また、液滴の速度は噴霧軸近傍で最大となり、噴孔から特定の距離では最大となる位置が0.2mmのオーダーで半径方向に変化し、この速度の変化とサイズの変化には相関があることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)