2011 Fiscal Year Annual Research Report
乱れの空間相関計測による高速高数密度噴霧における渦構造の解明
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22560172
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
植木 弘信 長崎大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30160154)
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Keywords | 液体微粒化 / レーザー2焦点流速計 / 燃料噴霧 / 液滴分裂モデル / ウエーバー数 / 液滴速度 / 液滴サイズ / 相対速度 |
Research Abstract |
1.高速噴霧微粒化過程の計測およびウエーバー数の評価 波長406nmの青色半導体レーザーを光源とし、光学系のビームスプリッタを新たに設計・製作することにより2つの焦点により構成されるレーザーマイクロプローブを構築した。次に、コモンレール燃料噴射システムを用いて噴射圧を80および120MPaに設定し、背圧を大気圧から3MPaに設定して、噴孔から6mm~12mmの位置で噴霧計測を行った。計測された速度、サイズ、およびデータレートリ時系列データから噴霧内部構造を調査した。その結果、噴孔近傍においては液滴速度に及ぼす噴射圧の影響は小さいこと、液滴サイズは噴射圧の増加により減少すること、また、液滴の速度およびサイズは噴霧下流に向かって減少することからウエーバー数も減少することを明らかにした。さらに、液滴分裂によるウエーバー数の減少率、すなわち液滴の飛行に伴う単位長さ当たりのウエーバー数の減少量はウエーバー数と強い相関があることを明らかにした。 2.位相ドップラー法による渦構造の評価 2次元位相ドップラー法により噴霧液滴の速度ベクトルおよびサイギの空間分布ならびにその時間的変化を計測した。その結果、噴霧軸近傍において液滴は噴霧軸方向の速度成分に加えて半径外向きの速度成分を有すること,噴霧軸方向の速度成分は半径が大きくなるとともに低下すること、また噴霧の外縁から内側に向かって移動する液滴は移動とともに半径内向きから噴霧軸下流方向へ連度ベクトルの向きを変えることを明らかにした。これらの液滴の移動の組み合わせが渦を構成するものと判断された。さらに、外縁へ向かう液滴の移動と半径内側へ向かう液滴の移動が交互に生じること、外向きに飛行する液滴のサイズは内向きに飛行する液滴めサイズに比べて大きいことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2つの測定体積による空間相関の直接計測を実施していないが、高速噴霧微粒化過程の計測、ウエーバー数の評価、ならびに位相ドップラー法による渦構造の評価を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
青色半導体レーザーを光源とした2焦点の構成を確認したので、今後、光学系ならびに信号処理系の構築を推進する。
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Research Products
(5 results)