2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560174
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
小池 和雄 東北学院大学, 工学部, 教授 (20108575)
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Keywords | 流体工学 / プラズマ / 流体計測 |
Research Abstract |
平成23年度は、超音速不足膨張プラズマ噴流中に形成される垂直衝撃波、すなわちマッハディスクの印加磁場強さによる形状の変化について、デジタルカメラによる撮影画像の非圧縮RAWデータから抽出した光強度分布を用いて検討を行った。この光強度分布から、印加する磁場の強さによるマッハディスク中心部の上流側への移動距離やマッハディスクの径などの変化を求めた。平成23年度はこれまでの検討に基づき印加磁場が最大の場合に噴流全体が適正露出に近い状態になる条件で撮影を行い、形状の変化について検討を行った。光強度は印加する磁場の強さの増加とともに高い値となることから、今後露出の設定条件を変えた検証も必要となるが、平成23年度の検討により衝撃波の形状変化を定量的に評価するための重要な基礎資料が得られた。 また、垂直衝撃波(マッハディスク)が形成される不足膨張プラズマ噴流内の流れ方向のマッハ数の変化について、噴流中に挿入した先端が円錐形状のタングステンプローブ周りに発生する斜め衝撃波角の測定による検討を行った。噴流画像の非圧縮RAWデータから得られた光強度データの解析から、プラズマ噴流中の超音速領域では、印加する磁場の強さの増加とともに衝撃波角は減少し、流れは加速されることを明らかにした。さらに、印加する磁場の強さの増加とともに噴流の光強度も増加するが、プローブ先端の磁束密度が約0.5Tの場合の検討から、マッハディスク下流の最大光強度を用いて基準化した流れ方向の光強度変化に対するマッハ数の変化を求めると、磁場を印加しない場合と同様に光強度の増加とともにマッハ数は減少することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の主目的である超音速不足膨張プラズマ噴流において形成される衝撃波の磁場による変形を明らかにするための実験やこれに関連した噴流中にタングステンプローブを挿入したマッハ数変化の計測はほぼ予定通りに行ってきた。しかしながら、マッハディスク外縁部のバレル衝撃波や反射衝撃波が交差する領域では、まだ満足すべき画像データが得られていないことから、やや遅れていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの検討では、印加磁場が最大の場合に噴流全体が適正露出に近い状態になる条件で撮影を行ってきた。しかしながら、印加する磁場の強さの増加とともに噴流の光強度も増加することもあり、マッハディスク外縁部のバレル衝撃波や反射衝撃波が交差する領域では、まだ満足すべき画像データが得られていない。したがって、本年度はこれまでの測定条件を参考にして、磁場の強さによる光強度の変化を考慮した追実験と光強度の分解能を高めるためにオーバー露出などの設定条件で検討を行うことを計画している。
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