2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560176
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
木村 元昭 日本大学, 理工学部, 教授 (70204998)
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Keywords | 噴流 / 噴流拡散 / DBDプラズマアクチュエータ |
Research Abstract |
本研究では噴流にDBDプラズマアクチュエータによる誘導流を印加することにより、噴流拡散の初期領域を操作し、噴流拡散制御のガイドラインを示すことを目的とする。平成22年度は、電極形状をノズル出口面に設置する形状(向心型)であったが、本年度は、電極をノズル内面と同軸(同軸型)となるように設置して次の実験的手法で研究を進めた。(1)電極(銅リング)と誘電体(ポリイミド)の寸法が噴流拡散に対し如何に影響するか、また、(2)電極に印加する電圧および周波数が噴流拡散にいかに影響するかを、可視化、PIV速度分布解析による実験的手法により明らかにした。コンプレッサーから供給された空気は質量流量計にて流量計量、さらにシーディング粒子を添加し内径26mm、長さ1200mmの助走管導かれ出口直径10mmの先細ノズルより大気中に噴出された。噴出レイノルズ数は1000である。同軸型電極はノズル出口内外面にフィットするように設置した。内側電極の高さを2mmとし、外側電極は内側電極の3、5、10倍の高さとし、DBDプラズマアクチュエータを形成した。印加電圧4kV~8kV、および周波数4kHz~20kHzの交流電圧を加えプラズマを発生させ、ノズルから噴出する噴流の制御を試み、次のことが明らかとなった。(1)昨年度実施した向心型電極では、径を大きくすると縮流効果を与える位置がノズル出口から離れ、誘起流れの当たる角度が緩やかになることから縮流効果も小さくなることが明らかとなった。本年度の同軸型電極では、ノズル内壁面近傍の速度が増速することから、主噴流に渦輪を伴う大規模な組織的変動を発生させるトリガーとなり得ることが分かった。この現象は主噴流の持つ、周期的変動を増幅し、噴流の拡散混合に寄与する極めて重要現象である。(2)電極に印加する電圧の増大および周波数の増加は拡散効果を増大する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成22年度は向心型電極により噴制制御を試みたが、関連学会での講演会で本内容を発表し、他大学の研究者とのディスカッションの中に、本年度提案した同軸型電極が良いのではとの方向性を得た。電極形状の大幅な変更となるとともに、同軸型電極は高精度の加工が必要となり、外部工作所と何度もやり取りをしたので、全体の進みが遅くなった。しかし、より良い電極形状の発見につながったことは幸いであった。
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Strategy for Future Research Activity |
2年間で電極形状による噴流制御の特徴がつかめたので、来年度以降は、噴流制御に必要な電圧、周波数の組み合わせを見出す。また、現在は連続的に高周波を与えてDBDプラズマ誘導流を発生しているが、電源装置に工夫を加え、断続的なDBDプラズマ誘導流を与えることにより主噴流の渦輪に作用して、より強力な噴流拡散への影響を実験的に解明する。さらに、現在は空気のみを使用しているが、ヘリウムや二酸化炭素など、周囲と密度の異なる噴流拡散に対する影響も研究を進めていく。
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Research Products
(4 results)