2011 Fiscal Year Annual Research Report
菱形角柱群流路からの新しい混相噴流現象の可視化に関する基礎的研究
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22560180
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
梅田 真三郎 福山大学, 工学部, 教授 (90031145)
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Keywords | 流体工学 / 可視化 / 噴流 / 混相流 / 菱形角柱群流路 |
Research Abstract |
本研究では,受動噴流制御に関しての実用化促進に向けた基礎研究として,流れの可視化実験による菱形角柱群管路内のポケット部に発生する渦と流出噴流場での拡散の変化に関する噴流現象の定量的把握解明を目的としている.前年度までの本研究では,菱形角柱群管路内のポケット部の形状と流出噴流場での流れの変化を定量的に把握するための実験を行ってきた.既にポケット部の位置は,菱形角柱群管路内の4列目と6列目の両側壁側に設けることが決まっているので,その形状として矩形や円形のものを選び,菱形角柱群管路を製作した.さらに,流出方向の5列目以降の菱形頂角を30°~60°まで順次広げて行く漸拡型菱形角柱群管路も製作した. その結果,トレーサ法によるポケット部での渦の可視化を行い,ポケット形状の違いによる渦の変化を明らかにし,そこに発生する渦の吸引作用によって管路からの自励振動流出噴流のフリップ・フロップ流れの発現及び振動の変化が生じ,流出噴流場での流れの混合・拡散の大きな変化が出ることを明らかにしてきた.また,管路内の流れ方向に6列以上の菱形角柱を並べ,その4列目以降の下流側の菱形頂角を徐々に広げて行った場合の管路を作成することによっては,フリップ・フロップ流れの広がりがさらに大きくなるとともに,撹搾・混合を促進させる効果が現れていることを明らかにすることができた.同時に,それらの菱形角柱群管路の圧力損失特性も明らかにすることができた.なお,カセグレン光学系機器の故障と修理不能のためにマイクロ混合特性の解明は諦めざるを得なくなったが,その他の流出噴流特性の解明結果については,国内外への論文投稿準備ができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的とする管路内の渦と流出噴流場での流の拡散の変化に関しての噴流現象の定量的把握解明ができつつあるので、研究は順調に進展していると判断している。しかし現状では、想定外の機器故障の発生によって一部の研究成果を出すことができなくなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の最終年度を迎える今年度に特許性のある菱形角柱後流の変化を付ける実験を追加して研究成果を向上させ、工学流体機器への応用発展に努める。同時に、これまでの研究成果を国内外での学会発表を行い、論文へのまとめを準備している。
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