2011 Fiscal Year Annual Research Report
閉鎖海域の海流計測を目的としたGPS搭載小型定水深浮遊体システムの開発
Project/Area Number |
22560182
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Research Institution | National Institute of Technology, Kumamoto College |
Principal Investigator |
宮本 弘之 熊本高等専門学校, 機械知能システム工学科, 教授 (90124156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入江 博樹 長岡技術科学大学, 環境建設系, 准教授 (70249887)
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Keywords | 海洋保全 / 流体工学 / 衛生測位 |
Research Abstract |
本研究の研究期間の主目的は、環不知火海における自然環境の保全と改善に寄与するために、不知火海における海流の調査方法を提供することであり、小目標として(1)不知火海の海中の海流の流れをリアルタイムで計測すること、(2)定水深浮遊体およびその実験水槽を開発すること、(3)一定水深の流れを考慮した不知火海の海流情報を提供すること、(4)大雨時に球磨川から流入する水の海中での影響を推定すること、の4つを掲げている。 平成23年度は、以下の研究実施計画に従って、一定水深にとどまることができる浮遊体を宗成させて、実際の潮流調査に目処を付けた。 (a)摸擬環境を提供する実験水槽を高性能化:従来の水深25m耐圧の実験水槽を不知火海の全海域をカバーする水深100mの高耐圧タイプに改良すると共に、本水槽に海面波による圧力変動も任意に構成できる装置を付加して多様な実験を実施する実験水槽の高性能化に目途をつけた。 (b)定水深浮遊体の改良製作による海流調査実施への目処:平成22年度に試作した定水深浮遊体を用いた実験水槽内の繰り返し実験によって一定水深浮遊の動作メカニズムおよび制御手法を検討して、実際の海流調査が安定的に可能になるように改善項目を抽出して、これらに基づいた定水深浮遊体を新規に製作した。 (c)GPSおよび通信機能について:自然海流における海面浮遊体に機器の設置を行って確認実験を実施して、定水深浮遊体への搭載について改善点を抽出した。 (d)計測運用における機器動作の省電力化:本研究では長期の実験が想定されるため、定水深浮遊体の一定水深維持機能、潜水機能および浮上機能における省電力化を、モータのPWM制御を実施することで確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
耐圧水深100mの実験水槽を製作して、水深および海面波による圧力変動を任意可変して今後の多用途な実験に目途をつけると共に定水深浮遊体の開発もほぼ完了した。また、海面浮遊ブイによるGPSおよび通信機能の確認も順調であり、全5年計画の2年目としては、おおむね順調な進展と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進方策としては、浅海水深域に及ぼす海面波の圧力変動を模擬的に自動再現できる装置を完成させる。次に平成23年度に改良した定水深浮遊体を用いて、実験水槽での動作確認試験を繰り返して、定水深浮遊体のメカニズムおよび制御手法の完成度を高める。続いて、平成23年度に引き続き、自然海流における海面浮遊体に機器の設置を行ってGPSおよび通信機能の確認実験を継続的に実施して、定水深浮遊体への搭載手法を検討する。さらには、長時間の潮流調査を可能とするために、平成23年度に引き続き、定水深浮遊体の水深維持、潜水および浮上機能に関わる機器の省電力化について検討する。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] 震災後の仙台湾潮流計測2011
Author(s)
入江博樹, 上久保祐志、森下功啓、嶋田萌由
Organizer
測位航海学会GPS/GNSSシンポジウム2011
Place of Presentation
東京海洋大学越中島キャンパス
Year and Date
2011-10-28
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