2010 Fiscal Year Annual Research Report
誘電体バリア放電誘起噴流の高速化メカニズム解明に関する研究
Project/Area Number |
22560183
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
瀬川 武彦 独立行政法人産業技術総合研究所, 新燃料自動車技術研究センター, 主任研究員 (50357315)
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Keywords | 誘電体バリア放電 / プラズマアクチュエータ / 流体制御 / 噴流 / プラズマ科学 / 高電圧 / 入力波形依存性 |
Research Abstract |
3種類の異なる膜厚(50、100、125μm)を有するポリイミドを絶縁層とするプラズマアクチュエータを試作し、常温常圧下での電気容量や電界強度分布の変化が誘電体バリア放電と誘起噴流の生成に与える影響を解析した。リアルタイム電流電圧測定の結果、矩形波電圧入力時の電圧立ち上がり時に見られる高周波数のバースト電流とアクチュエータが有する静電容量へ供給される低周波数で変化する電流波形が確認さら、膜厚の増加とともに静電容量が減少することが確認できた。また、高周波数のバースト波形については、ストリークカメラを用い、直線型DBD-PA表面電極近傍に生成される誘電体バリア放電について、100μ秒間の発光強度時空間分布を測定した。ストリーク像と電流波形を比較した結果、間欠的な発光強度変化の時間スケールとバースト電流の時間スケールに強い相関が認められ、これらの信号は誘電体バリア放電の生成・消滅に起因することが確認された。また高温炉を用い、常圧下において20℃から200℃の範囲でプラズマアクチュエータ近傍の温度場を変化させ、噴流の挙動を可視化した結果、温度上昇とともに空気密度が低下し、噴流の運動量が減速することが明らかになった。本年度試作したプラズマアクチュエータは、ポリイミドと銅箔層にエポキシ系の接着層が存在し、高温場において絶縁性能の低下や接着層の剥がれ等が生じた。そこで、プラズマアクチュエータ耐熱化技術として、新たにイオンプレーティング法を用いて薄膜の耐熱ガラス表面にプラズマアクチュエータ用電極を形成する手法を新たに開発した。
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