2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560184
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
澤田 秀夫 東北大学, 流体科学研究所, 研究支援者 (30344245)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 風洞壁干渉 / 阻塞効果 / 鈍頭物体 / 抵抗 / 磁力支持天秤装置 |
Research Abstract |
細長比2の円柱模型では、阻塞効果が極めて小さいと期待される阻塞比0.65 %の試験を試みた。平成24年度に同様の試験を試みているが、磁力支持天秤装置利用時に必須の模型位置姿勢センサーの調整段階で、光量不足により十分な精度での調整が磁力支持天秤装置の借用期間中に達成できなかった。本年度は光量不足を補うために、位置姿勢認識に必要な模型部分の形状を工夫し、光量不足は十分に改善でき、模型位置姿勢測定精度も十分なものに調整できた。阻塞比0.65 %の模型とは直径55 mm、長さ110 mmである。しかしながら、この模型浮揚調整を実施したが、磁力支持状態で十分な姿勢安定性を得ることができず、調整最中に模型を落下させ、模型姿勢測定にとって重要な部分を破損させてしまい、その後、試験続行が困難になった。今回の浮揚失敗の原因は円柱模型の軸に直角方向の回転慣性モーメントが小さく、円柱軸に直角方向の軸周りの回転運動に対して、JAXA 60-cm MSBSの制御速度では遅いことが原因と考えられる。JAXA 60-cm MSBSの制御速度の改善は難しいので、模型の慣性モーメントを増やす対策を進める為のデータを確保する目的で、細長比2模型の両端部分を直径55 mm長さ51.5 mmの円柱に交換して、浮揚調整を続行した。この結果、一様流風速11 m/sでの磁力支持ができたが、抗力係数測定には十分な安定度とは言い難いものであった。慣性モーメントは阻塞比0.65 %の模型の約1.7倍であったので、今後は同じ磁石を用いた場合は、これよりも十分大きい慣性モーメントの模型を設計する必要が有ることが判った。この結果を基に、次年度に模型を再設計し製作するための指針を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細長比2で阻塞比が2%以下の試験を2回(2年)連続して失敗したため、細長比2の鈍頭物体の阻塞効果評価が充分な精度で達成できていない。これに伴い、細長比1模型の試験も実施できていない。試験技術の未熟さに加え、試験が年一回で5日間のみという極めて窮屈な日程しか確保できないことが、試験不良の原因推定、改善、確認試験遂行の非効率状態を増幅させている。細長比1の模型に関しては、東北大学流体科学研究所で新たに本格稼働しつつある、超音速用小型磁力支持天秤装置を小型低速風洞に利用して実施することを検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
細長比4の場合の試験は終了している。細長比2の場合は阻塞効果が充分に小さいと期待される阻塞比1%前後のデータが1点でも得られれば良いので、模型慣性モーメントを増やす対策を講じて、是非実施し、論文にまとめたい。細長比1の阻塞効果評価はJAXA 60-cm MSBSを利用して実施することは時間的に困難なため、東北大学流体科学研究所に新たに作られた小型超音速風洞用磁力支持天秤装置を用い、これを小型低速風洞に設置して、細長比1の阻塞効果を評価する。
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