2011 Fiscal Year Annual Research Report
ボクセル熱流体シミュレーションによる鼻腔形成手術アセスメント
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22560187
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
田中 学 千葉大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (20292667)
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Keywords | 鼻腔内流れ / 上気道 / ボクセルモデリング / シミュレーション / 可視化 / 粒子画像流凍測定法(PIV) / 生物流体力学 / 生体熱工学 |
Research Abstract |
粘膜を模擬した熱交換モデルを考案し,鼻腔エアコンディショニング機能の熱流動ボクセルシミュレーションを行った.熱交換モデルでは,気流との熱伝達によって温度が変化する壁面の粘膜層セルと,深部で一定温度を維持する熱源セルを仮定した.従来のin vivo温度測定結果を参考にして,粘膜層セルには0.0017~0.0083K/Wの熱抵抗値,熱源セルには34℃の温度一定条件を与えた.ボクセルシミュレーションで得られた鼻腔壁面温度とin vivo測定温度はいずれも鼻先から20mm付近で30℃程度に低下する傾向を示すことから,本モデルにより鼻腔壁面温度変化の基本的な特徴を再現可能であることが確認出来た. ボクセルシミュレーション結果との比較検討を目的として,CT画像より鼻腔実形状を模擬した透明シリコーン流路を作製し,鼻腔内吸気流れの可視化・PIV計測を行った.流れの可視化は染料注入法により行った.PIV計測は,鼻腔モデルにレーザーシートを照射し,トレーサー粒子からの散乱光を高速度カメラで撮影することにより行った.その結果,鼻腔内部で局所的に流れのパターンが大きく変化し,鼻孔から鼻弁付近でのジェット流や鼻腔上部前方での再循環流が観測され,ボクセルシミュレーション結果との比較的よい一致が確認出来た.一方,ジェット流境界近傍で強い非定常性が観測され,シミュレーションでは再現できていない流れの特徴も明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ計画通り,鼻腔内流れの熱流動ボクセルシミュレーションとモデル実験による可視化・PIV計測の手法を確立し,それぞれ結果を得ることが出来た.
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Strategy for Future Research Activity |
鼻腔疾患を有する鼻腔形成手術前後の鼻腔形状をモデリングし,ボクセルシミュレーションを実施する.エアコンディショニング機能のシミュレーション結果の妥当性を評価するために,従来の境界適合・非構造格子を用いた汎用熱流体解析ソフトFluentでも熱流動シミュレーションを実施する.
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Research Products
(4 results)