2010 Fiscal Year Annual Research Report
低GWP冷媒R-1234yfの細管内沸騰熱伝達と冷凍機油の影響
Project/Area Number |
22560188
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
斎藤 静雄 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (60170502)
|
Keywords | 低GWP冷媒 / 沸騰熱伝達 / 冷凍機油 |
Research Abstract |
平成22年度は、管内径2mmで冷媒R-1234yfの300kg/m^2s、12kW/m^2、蒸発温度15℃の条件で実験を行った。局所沸騰熱伝達率はクオリティの増加に伴い増加し、クオリティが0.8~0.9でドライアウトした。低クオリティ域(x<0.3)で熱伝達率3kW/m^2Kであり、高クオリティ(0.8~0.9)では5kW/^2Kであった。本研究の装置改良前のR-1234yfの測定データとの比較では、高クオリティ域の局所沸騰熱伝達率が低くなっている、この点について再現性の問題も含め検討を加える。斎藤らの沸騰熱伝達率の予測式と測定値の比較では、全クオリティ領域で予測値は高めであるが20~25%の範囲内で測定値を予測できた。予測の一致は比較的低クオリティ域でよくなく、高クオリティ域でよかった。同実験条件において冷媒R-134aと比較すると、局所熱伝達率では低クオリティ域(x<0.3)ではほぼ同値であるが、クオリティの増加と共にR-134aの熱伝達率よりやや低下する傾向がある。圧力損失において、R-1234yfとR-134aの比較をすると同程度の圧力損失であった。潤滑油PAG(VG46)と冷媒R-1234yfの温度-圧力-溶解度曲線の測定を温度40,60℃、圧力0.2~0.8MPa、冷媒の溶解度が5~17%の範囲で行った。冷媒の溶解度は温度、圧力の増加と共に増加し、圧力とは比例の関係であった。冷媒と潤滑油の相分離の実験は、冷媒、潤滑油をそれぞれ18.3g耐圧ガラス容器に入れ、温度を-0.4℃~42.1℃までの範囲を目視観察により行った。観察した範囲では相分離は観察されなかった。
|