2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560189
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
刑部 真弘 東京海洋大学, 海洋工学部, 教授 (00204173)
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Keywords | 臨界流 / 二相流 / 熱的非平衡 / 絞り機構 / 安全弁 |
Research Abstract |
ディスク板が交換可能で,弁リフト量の調整も容易なディスク式安全弁を模擬した絞り機構を作成した.可視化観察を可能とするため,当初,ディスク板は透明耐熱ガラスとした.試験部には,水/空気二相流およびサブクール水からクオリティ0.5程度までの二相流を供給可能としている.水単相流の流出実験を行ったところ,流体が最少流路面積より縮まって流れる「縮流」という現象により,噴出流量はエネルギー式と最少流路面積から求められる値より少なかった.また,この「縮流」は弁座とディスク間距離であるリフトおよび弁座形状によって大きく異なることが明らかになった.テーパー弁座の場合には,リフト量を変えたすべてのデータは,流量係数0.61で表すことができた.これは,テーパー弁座の縮流がオリフィスのような自由流れと同じであることを示している.一方,平行弁座の場合には,リフト量が小さく噴出圧力差が小さい場合には,流量係数は0.61よりも大きく,噴出圧力差の増大とともに減少する傾向にあった.しかし,少しずつ圧力差および流速を大きくしていくと,流量係数0.61に急激に減少した.平行弁座の流量係数が急激に変化する前は,流れが一度縮流した後,弁座に再付していたが,変化した後は,再付着は生じなかった.リフト量が十分大きな平行弁座の場合には,テーパー弁座と同じように,すべてのデータは,流量係数0.61で表すことができた.弁座部分の半径方向長さに対してリフト量が十分大きくなると,流れがテーパー弁座と同じようになっていることが示唆された.
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