2010 Fiscal Year Annual Research Report
熱輸送を伴う固体・流体二相乱流のDNSと確率的数理モデル構築
Project/Area Number |
22560190
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
松原 幸治 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (20283004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳴海 敬倫 新潟大学, 自然科学系, 教授 (20143753)
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Keywords | 熱輸送 / 乱流 / 二相流 / DNS / 確率的数理モデル |
Research Abstract |
固体球が分散した一様乱流を取り上げ、フーリエスペクトル法により直接シミュレーション(DNS)を行った。二相流を取り扱うため、体積平均速度を変数としたナビエストークス式を基礎方程式として用いた。予備計算として、固体球を含まない単相一様乱流、および、一様流中に置いた球後流を計算し、既存の計算値ならびに実験値との比較から、数値解析コードが妥当性を示した。二相乱流に対する計算では、動粘度を1/300に設定し、球の緩和係数を6.45~72.6の範囲で変化させ、各条件に対して厳密な二相流計算を行い、さらに、質点モデルによる簡易的DNS、ならびに、乱流変動をポワソン過程で表わした確率モデル解析も行った。厳密解析により、本計算の範囲では、固体球が乱流全体に与える影響は小さいものであったが、球直径程度のスケールにおいて乱れが増幅する現象が観察された。また時間が経過するに伴い、固体球の変動は大きくなるが、ある時刻を過ぎると小さくなり、緩和係数が小さい程より大きな変動が現れた。厳密解析の結果を、質点モデル解析、確率モデル解析と比較したところ、緩和係数が30以上の場合は、三つの解析結果はよく一致したが、緩和係数がそれよりも小さくなると、質点モデル解析および確率解析の結果は厳密解析よりも25パーセント程度大きくなり、顕著な誤差があった。以上のように、分散性二相乱流の厳密解析コードによって高精度な数値データを採取し、現象のモデリングに必要な知見を収集できた。
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Research Products
(1 results)