2010 Fiscal Year Annual Research Report
細線熱電対群プローブによる「流体温度場スキャナ」の開発
Project/Area Number |
22560194
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
田川 正人 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (80163335)
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Keywords | 温度計測 / センサ / 流体温度 / 可視化計測 / 適応応答補償 / 細線熱電対 / 応答遅れ / 時定数 |
Research Abstract |
本研究の目的は,空調機や燃焼器など各種熱流体機器から排出される気体の温度分布を簡便かつ定量的に可視化できる計測技術「流体温度場スキャナ」を開発することである.本研究では,研究代表者らが長年にわたり培ってきた「温度センサの適応応答補償」に新たに「プローブの画像位置計測」を融合させることで,安全で取り扱い易く,かつ適用範囲の広い流体温度場の可視化法を開発する.本年度の研究成果は以下のとおりである. 1.計測システムに要求される性能(空間分解能,可視化領域のサイズ,温度範囲など)を詳しく検討し,プロトタイプとして必要十分な計測システムの仕様を決定した. 2.プローブ位置の画像計測では,プローブ両端に赤色と青色の二つのLEDを設置することで,細線熱電対群プローブの位置を正確に認識することを可能にした.また,LEDの発光特性を改善するとともに高速度ビデオカメラの制御方法を最適化することにより,プローブ位置の認識精度をさらに高めることに成功した. 3.測定プローブの製作技術の進歩と上記2)のプローブ位置認識の高精度化により,空間分解能:2mm×5mm,測定領域(走査領域):94mm×94mmを実現することに成功した. 4.開発した計測システムを温度場特性が既知の高温空気噴流の測定に適用した.その結果,従来の測定法では約3時間を要した空間温度分布の測定を数秒に短縮できることを示した. 以上により,開発したプロトタイプが「流体温度場スキャナ」として十分な性能を有することを実証した.
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Research Products
(5 results)