Research Abstract |
位相乱流方程式として知られる蔵本・シバシンスキー方程式の巨視的振る舞いはYakhotらの研究によりノイズを付加したバーガーズ方程式で近似できることが知られている.Zaleski, Sakaguchi, Sneppenらはこの近似方程式中に現れる有効粘性係数,ノイズレベルの2つの係数を何らかの方法を用いて解の高波数変動から求めている.これらの方法には1)遮断波数を設定していること,2)有効粘性係数の空間分布が求まらないこと,3)このようにして得られた値の妥当性が検討されていないこと,の3つの問題点がある そこで本年度は,これらの問題を解決すべく,カルマン・ブーシーフィルタを用いた係数値推定を試みた.その結果,従来の方法のように遮断波数を設定することなく,係数の空間分布を求めることができた.この値の妥当性を検証するため,大偏差統計を適用して,ノイズに対応する項のクラメル関数を求めたところ,そめ分布は理論的に期待される分布に一致し,また分布の平均値,分散(拡散係数)は従来法で求められている値に比べて妥当であることが裏付けられた.これらの結果は雑誌論文においては未発表ながら,以下の形で発表,もしくは発表予定である 岡本友里子,Kuramoto-Sivashinsky方程式の確率微分方程式近似,大阪大学修士論文,2010年度 岡本友里子,石田秀士,河原源太,(タイトル同じ),日本機械学会関西支部第86期定時総会講演会,2013 石田秀士,岡本友里子,河原源太,(タイトル同じ),第6回非線形テクノサイエンス講演会,2013
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