2013 Fiscal Year Annual Research Report
乱流熱対流場の確率微分方程式近似に関する基礎的検討
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22560198
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石田 秀士 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (80283737)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 乱流 / 確率微分方程式 / ノイズ強度 / Takensの埋め込み / エネルギーバランス |
Research Abstract |
Kuramoto-Sivashinsky方程式(KSE)の解の振舞いをノイズを含むBurgers方程式(NBE)で近似する問題について,前年度までに有効粘性nu_effをカルマン・ブーシフィルタで求めた上で,その有効粘性においてNBEの解の平均と分散がKSEのそれと一致するノイズ強度Nを採用すると,KSEとNBEの解の大偏差関数が一致することが分かっていたが,この決定法にはNBEの数値計算を必要とする問題点があった.このような近似を乱流モデルの構築と捉えるとき,未定定数は元の方程式から求められることが望ましい.この推定法については22年度において初歩的な検討を行っていたが,Nの値を過大評価してしまう問題点があった. そこで本年度はこの手法の問題がKSEの解uと揺動項の相関にあると考え,この相関を除去するためにuの時系列をTakensの埋め込みを用いて多次元化した上で,直交化を施すことで揺動項との相関を除去する推定法を試みた.その結果,Nの推定値は以前の方法による推定値に比べて適正値に近づいたが,完全には一致しなかった.この理由を考察するために,有効粘性係数を変えながらNの推定値の変化を調べ,これを24年度に求まっていたN-nu_effの曲線と比較した所,nu_eff/alpha=1で両曲線が交差し,この有効粘性においては適切にNを推定していることが分かった.これは,本年度の手法がエネルギーバランスを満足させるような推定法を用いていることが要因であることが判明し,以上の結果から,目的に応じて適切な推定法を用いることで,大偏差関数の上で最適なNの推定法を開発することが可能であると考えられる.これは今後の課題である.
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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