2010 Fiscal Year Annual Research Report
薄膜蒸発現象による省エネ型の高性能伝熱・熱輸送技術の研究
Project/Area Number |
22560199
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
平澤 茂樹 神戸大学, 工学研究科, 教授 (70403300)
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Keywords | 伝熱機器 / 蒸発伝熱 |
Research Abstract |
薄膜蒸発伝熱特性に及ぼす液供給条件や蒸発面構造の影響の基礎データを取得し,実用条件での液分配制御適正化のデータを得ることを目的で3種類のモデル実験(作動流体は水,伝熱面はヒータによる加熱した銅面,周囲条件は飽和水蒸気)を行なった. 1.基礎研究:(1)蒸発伝熱特性に及ぼす液供給条件の影響に関し,液供給条件として注射針からの局所的な液供給と,泡による液膜供給について実験により検討し,泡による液膜供給方法が,乾き面を生じることなく継続的に伝熱面表面の全体に液膜を形成し伝熱特性を高くできることを明らかにした.(2)蒸発伝熱特性に及ぼす蒸発面構造の影響に関し,平滑面,多数のくぼみ付き面,メッシュ付き面について実験により検討し,メッシュ付き面に薄い液膜を供給する場合が伝熱特性を最も高くできることを明らかにした.今後,さらに蒸発伝熱特性の増大技術について検討を進める予定である. 2.応用技術開発:実用条件での蒸発伝熱特性に及ぼす液分配制御の検討について,(1)局所的に熱流束が大きい発熱面モデル(電子機器冷却への応用)に,積層多層流路供給方法を実験により検討し,狭い隙間を持たせて表面張力の作用を利用すると有効であることを明らかにした.(2)熱流束が小さく広い伝熱面積の発熱面モデル(太陽熱コレクターへの応用)に,液膜を筋状に流下させる方法を実験により検討し,細線などによる表面張力の作用を利用すると高い蒸発伝熱特性を実現できることを明らかにした.今後,さらに実用条件に近い発熱面へ液分配制御の方法について検討を進める予定である.
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Research Products
(4 results)