2012 Fiscal Year Annual Research Report
微細流路内沸騰熱伝達特性と伝熱促進メカニズムの解明
Project/Area Number |
22560201
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森 英夫 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70150505)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 微細流路管 / 流動様相 / 摩擦圧力損失 / 沸騰熱伝達 / 伝熱促進 |
Research Abstract |
内径1mmの微細流路円管を対象に,新冷媒として期待される低温暖化係数の冷媒HFC32を用いて,水平流における摩擦圧力損失と沸騰熱伝達の実験を行い,前年度までの冷媒R410Aの結果と比較した. 1.流動様式は,全般にR410Aの観察結果と類似し,流量によらず低クオリティではスラグ流,高流量の中高クオリティでは環状流,低流量の中高クオリティでは波状流や層状流が現れた.R410Aと比べると,蒸気密度が小さいため,スラグ流から他の様式に遷移するクオリティは全体に低くなっている. 2.摩擦圧力損失は,高流量ほどクオリティの増大につれて大きくなる傾向を示すが,低流量ではクオリティの影響は小さい.R410Aと比べると,蒸気密度が小さく流速が大きくなるため,クオリティの増大とともに,特に環状流で,高い値を示す.ただし,スラグ流ではあまり差がない.また,物性値の違いを考慮すれば,同じ無次元整理式でR410Aと同程度同様の相関が得られる. 3.沸騰熱伝達の熱伝達率は,熱流束のほか,流れ方向の流動様式の変化に対応して変化し,熱伝達の特性は,熱流束と流動様式により,核沸騰支配域と液膜蒸発支配域に,さらに液膜蒸発域は液膜厚さが決まるメカニズムの違いにより低クオリティのスラグ流とより高クオリティの他の流動様式の領域に分類できる.HFC32は,液体の熱伝導率の大きく,R410Aと比べて,高熱流束まで液膜蒸発域が拡がり,液膜蒸発域の熱伝達率の値は大きくなる.一方,核沸騰支配域では差はない.なお,前年度作成した熱伝達予測式は,高クオリティの液膜蒸発域の熱伝達率を低めに見積もる傾向がある. 4.薄い液膜を効果的に生じさせ,液膜蒸発領域を拡大することが,伝熱促進に最も有効であると考えられる.また,流路形状が同じ円形流路であれば,本実験結果を,扁平多穴管に適用できると考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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