2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560204
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
光武 雄一 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20253586)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 非定常遷移沸騰 / 液滴 / ぬれ |
Research Abstract |
サブクール度33K~53K,衝突速度1.2~2.0m/s,直径4mmの単一エタノール液滴を衝突させたときの高温面上での非定常沸騰実験を行った.大気圧下のエタノールの自発核生成温度197℃を含む160℃~250℃の範囲で,高温面の初期温度を5Kおきに設定して実験した.沸騰観察と温度計測に基づき,固液接触開始後液滴が高温面上に滞在する高々数十msの時間内での沸騰過程は,三つの様式に分類された.1)高温面のぬれ状態が保たれ,核沸騰が維持可能な領域.2)核沸騰で生じた一次気泡の合体により固液接触界面上で蒸気膜が成長し,ついには蒸気膜で覆われた十分発達した膜沸騰状態(乾き面)への遷移が生じる領域.3)固液接触開始と同時に固液界面全体に蒸気膜が形成され,乾き状態への遷移が直ちに生じる領域.が出現した.各領域が出現する液滴速度,サブクール度,高温面初期温度範囲をマッピングした.領域3)では,ビデオ撮影コマ間隔44μsで核沸騰の存在は確認できなかったため,自発核生成過程により非ぬれ状態の膜沸騰領域に移行すると判断した. 領域1)における高温面のぬれ状態が維持可能な上限温度は,液過熱限界温度とほぼ同じ185℃以上の領域に存在し,液滴速度とサブクール度の増加と伴に高温側にシフトした.一方,自発核生成を伴う領域3)は,液過熱限界温度よりも50K程度高温側に存在することが分かった.一方,領域2)では,初期高温度の上昇と伴に膜沸騰状態への遷移に要する遅れ時間が小さくなり,領域3)の44μs以下に漸近する傾向を示した.さらに,高温面でのぬれ状態が持続可能な条件として,高速温度測定より評価した固液接触中の固体側から液体側への積算熱流束による評価を行った.非定常沸騰過程におけるこの遅れ時間の存在がスプレー冷却などの現実の冷却におけるぬれ開始温度が液体の過熱限界温度を超えた高温領域に存在できる知見を得た.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)