2010 Fiscal Year Annual Research Report
草本・木質バイオマスからの水素製造と液体燃料化技術の構築
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22560213
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Research Institution | Maizuru National College of Technology |
Principal Investigator |
奥村 幸彦 舞鶴工業高等専門学校, 電子制御工学科, 教授 (80262971)
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Keywords | 再生可能エネルギー / バイオマスガス化 / 高圧下での反応速度 / 石炭とのハイブリッドガス化 / 環境負荷低減 / 熱分解 / 水素製造 / 副生成物 |
Research Abstract |
本研究では加圧型迅速昇温熱天秤を用いて、大気圧下のみではなく加圧下におけるバイオマスの熱分解・ガス化挙動を詳細に明らかにした。さらに、燃焼熱の利用によるガス化の際に発生する副生成物(窒素酸化物)について数値解析を行った。以下の結果(1)~(2)はガス化に関する知見、(3)は窒素酸化物、(4)はハイブリッドガス化に関する知見である。 (1)バイオマスチャーのガス化速度(ガス化反応性)は熱分解温度の上昇に伴い減少する。これは、熱分解温度の上昇に伴いバイオマスチャーの炭化度が高くなり、炭素間の結合がより強固になるためである。 (2)バイオマスチャーのガス化速度(ガス化反応性)は熱分解時の圧力の増加に伴い減少する。これは、熱分解時の圧力の増加に伴い、バイオマスチャーの炭素構造がより均一化するためである。加えて、バイオマスチャーの細孔は熱分解時の圧力の増加に伴い発達しにくくなることを明らかにした。 (3)燃焼によるN_2O生成およびNO生成は、ガス温度に強く依存する。低温燃焼場(T=1100K程度)においては、バイオマスからN_2Oが多量に生成し、その生成量はバイオマス中の窒素含有率の増加に伴い増加する。また、バイオマス中窒素分からN_2Oへの転換率は、揮発分放出が緩慢であるほど増加するメカニズムを示した。 (4)バイオマスと石炭とのハイブリッドガス化にも対応できるように、石炭における熱分解収率(すなわち、総熱分解収率、タール収率、各ガス成分の収率)についてもデータを収集した。総熱分解収率、タール収率、および各ガス成分の収率は元素比(H/C、O/C)により予測できることを示した。
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