2011 Fiscal Year Annual Research Report
草本・木質バイオマスからの水素製造と液体燃料化技術の構築
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22560213
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Research Institution | Maizuru National College of Technology |
Principal Investigator |
奥村 幸彦 舞鶴工業高等専門学校, 電子制御工学科, 教授 (80262971)
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Keywords | 再生可能エネルギー / バイオマスガス化 / 高圧下での反応速度 / 石炭とのハイブリッドガス化 / 環境負荷低減 / 熱分解 / 水素製造 / 副生成物 |
Research Abstract |
本研究では加圧型迅速昇温熱天秤を用いて、バイオマスの熱分解・ガス化挙動に及ぼす熱分解時の雰囲気ガス種の影響について詳細に明らかにした。さらに、燃焼熱の利用によるガス化の際に発生する副生成物(窒素酸化物)について数値解析を行った。以下の結果(1)~(3)はガス化に関する知見、(4)、(5)は窒素酸化物に関する知見である。 (1)ガス化反応速度定数および細孔係数はいずれのガス化温度についても雰囲気ガス種に依存した。特にN_2/CO_2/O_2=18/41/41で作製したチャーの反応速度定数は、他の雰囲気で作製したチャーのそれらと比較し、1.7~2.5倍であった。 (2)熱分解時の雰囲気ガスに酸素が含まれる場合、酸素濃度が高い場合には、熱分解時に細孔が発達する。ガス化反応速度定数は細孔表面積(BET表面積)の増加と共に単調に増加した。 (3)バイオマス燃焼によるN_2O排出量およびNO排出量は、ガス温度に強く依存する。低温燃焼場(T=1100K程度)においては、バイオマスからN_2Oが多量に生成し、その生成量はバイオマス中の窒素含有率の増加に伴い増加する。また、バイオマス中窒素分からN_2Oへの転換率は、揮発分放出が緩慢であるほど増加するメカニズムを示した。 (5)バイオマスと石炭とのハイブリッドガス化にも対応できるように、石炭における熱分解収率や窒素酸化物生成についてもデータを収集した。石炭からの総熱分解収率、タール収率、および各ガス成分の収率は元素比(H/C、O/C)により予測できることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究発表の欄にも示されている通り、バイオマスのガス化速度の向上策が打ち出されているため。
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Strategy for Future Research Activity |
エクセルギーを考慮し、かつ流動層ガス化装置によりガス化を行う場合、700~900℃の温度範囲に設定して熱分解・ガス化反応を進行させる必要がある。ガス化速度を律速するチャーのガス化反応速度を速めるために、H_2O改質によるH_2生成の低温化をさらにはかっていく必要がある。
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