2010 Fiscal Year Annual Research Report
弾性平板上に生成される純粋進行波を利用した水中推進機構の推力向上と横力低減
Project/Area Number |
22560219
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
松村 雄一 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (20315922)
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Keywords | 機機力学・制御 / 振動制御 / 制御機器 / 生体力学 / バイオ流体力学 / 弾性板型水中推進 / 進行波推進 |
Research Abstract |
本年度の目標は,弾性平板前端部のピッチング運動が自在に制御でき,波浪や潮流などの外乱へも対応可能な水中推進機構の開発であった。前端部のピッチング運動は,推力を生み出す渦の発生と関係しており,推力向上のためには制御する必要がある。外乱への対応は,所望の振幅と周波数で純粋進行波の状態を保ち,推力を維持するために必要である。これらの目標の下に研究を遂行した結果,以下の通り,課題と解決策を見出した。 1 はりに対する能動インピーダンス整合制御において,従来の論文等で公表されていた無反射端インピーダンスを利用しても,高々50%程度しか反射波を抑制できず,定在波率が1に収束しない課題を明らかにした。この結果を受けて,制御則を再検討する必要性が生じたため,当初予定していた前端部でのピッチ角制御にまで到達できなかった。ただし,この解析において,新たにはり用の無反射端インピーダンスを導出したことから,今後はこの理論に従ってピッチング角の制御と進行波生成の両立を実現できるものと考えられる。 2 波浪や潮流に対処するため,フィードバック型のインピーダンス整合制御を試みたが,シミュレーションでの成功に対して,実機では所望の制御を実現できなかった。これは,シミュレーションで用いる理想アクチュエータが力だけを純粋に発揮できるのに対して,実際のアクチュエータは可動部質量などの慣性を有することが原因である。この慣性によって,インピーダンス整合制御を始める前の時点において,制御点における変位(速度に変換)が小さく,フィードバックすべき速度信号を正確に計測できないという問題や,アクチュエータ可動部の慣性を考慮した無反射インピーダンスの設定ができてないという問題が表面化した。今後は,これらの問題を回避する手法として,フィードフォワード型制御への回帰も視野に入れた再検討を行う。
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Research Products
(2 results)