2011 Fiscal Year Annual Research Report
シームレスマニピュレーションのための運動の選択と制御
Project/Area Number |
22560222
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
長瀬 賢二 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (70303667)
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Keywords | 多指ハンドロボット / 把握・繰りの制御 / シームレスマニピュレーション |
Research Abstract |
本研究では,ロボットが移動物体を捕獲~運搬~設置する場合など,接触状態が動的に変化するロボットを継ぎ目なく滑らかに(シームレスに)自動制御するためのフィードバック制御系の解析・設計法の確立を目指し,特に,多指ハンドロボットにおいてその問題を検討している.上記のような接触状態の移行を伴う作業を実現するためには,複数の接触状態にあるシステムを連続的に記述する大域的な運動変数の選択が重要と考えられる.本研究では,把握・操りの制御に適した運動変数の選択という観点から,上記運動変数の候補として,指先ならびに対象物上の接触点を頂点とする二つの多面体(把握多面体と呼ぶ)を考え,両者の相対変位に基づく定式化法ならびに制御手法について検討している. 本年度は,昨年度行った基礎的な結果である,平面運動を行う二指ハンドロボットに対する定式化法ならびに制御方策を,3次元運動を行う三指ハンドロボットの場合へ展開を行った.具体的には,対象システムの数式モデルの構築とそれに対するコントローラの設計を行った.さらに,ハンドロボットの指先がゴムなどの柔軟性を有する材料で構成されている状況を想定し,そのような状況に対する展開も行った.いずれの場合についても,対応する数値シミュレータの構築を行うとともに,移動物体の捕獲を想定したシミュレーションにより提案手法の有効性の確認を行った.これらにより,3次元空間内の捕獲運動やソフトフィンガータイプの指先を有するハンドロボットへの適用が可能になり,より現実的な状況において提案手法を用いることが可能となった.また,滑らかな衝突を実現するための目標軌道の生成方法として,波動制御法の概念を利用した目標軌道の生成法の検討を引き続き行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,シームレスマニピュレーションのための定式化法と制御方法の検討を行っている。本年度は主に,昨年度平面運動に対して行った定式化を,3次元運動ならびに指先が柔軟性を有する場合へ展開を行った.これにより,提案手法をより現実的な状況へ適用することが可能になった.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の展開として,現在ハンドロボットのみを想定しているモデル化法ならびに制御方法を,アームロボットを含めた,ハンド・アームロボット系に展開することを考えている.本年度までのハンドロボット単体の場合に得られている知見やプログラム等を最大限に利用して研究を進めることで,効率的に研究を遂行できると考えている..
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Research Products
(4 results)