2010 Fiscal Year Annual Research Report
声帯振動による呼気の噴流で発生する渦輪を加振源とする人の発声機構のモデル化
Project/Area Number |
22560224
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
有井 士郎 鳥取大学, 工学研究科, 准教授 (80222751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 英幸 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (00224436)
長谷川 賢作 鳥取大学, 医学部, 講師 (60252847)
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Keywords | 声帯 / 振動 / 呼気流速変動 / 発声 / 高速度撮影 / モデル |
Research Abstract |
本研究の目的は,声帯振動で引き起こされる呼気の噴流による渦輪が声門波を発生させることに着目して人の発声機構をモデル化し,その解明を行うことである.本年度の研究は,人の発声時の声帯振動によって発生する呼気流速と圧力変動の測定実験と,発声機構のモデル化を実施した. 本年度の人での実験は,声門直上での呼気流速と圧力変動の測定,および声門上方の仮声帯上部の喉頭蓋内と喉頭蓋上方での呼気流速と圧力変動の測定を実施した.また,高速度ビデオカメラで声帯振動を記録するとともに,記録した画像から呼気流速の測定位置を求めた,実験で得られた14名の被験者の声帯直上の呼気流速分布を詳細に検討した結果以下のことが明らかとなった.(1)声帯直上の平均呼気流速は,声帯前方で早く,後方ほど遅くなる.また,声帯からの距離に対して大きく変化し,距離が大きくなるほど低下する.(2)声帯直上の呼気流速の最大値は,声帯前方で最も大きく,後方ほど小さくなる,(3)呼気流速に含まれる高周波成分は,声帯前方で大きくなる.(4)声帯は,前方から後方まで同時に開閉するのではなく,前方から閉じ始める. さらに,これらの人での実験結果より,発声機構のモデル化には以下の機能を備えた要素が不可欠であることが明らかとなった.(1)毎秒100から200mlの連続した空気の流れ(呼気流に相当).(2)数百Hzで振動しこの空気の流れを絞り噴流を発声させる要素(声帯に相当).(3)噴流によって発声する数kHzまでの高周波の渦輪とこれによる圧力変動.(4)この圧力変動を増幅させる共鳴箱となる要素(咽頭,口腔,鼻腔に相当).
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