2011 Fiscal Year Annual Research Report
ボイラ・熱交換器で発生する大音響騒音の対策法に関する研究
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22560226
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
石原 国彦 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (30380108)
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Keywords | 空力自励音 / 共鳴周波数 / 共鳴モード / ゴム板 / 固有振動数 / 音響減衰比 / 管群 / 自励音発生流速 |
Research Abstract |
ボイラ,カス加熱器などの熱交換器では,カルマン渦とダクト内の音場の干渉により空力自励音と呼ばれる大音量の騒音が発生することがある. 本研究ではこの空力自励音の発生メカニズムを明らかにし、従来の対策であるバッフル板挿入の対策メカニズムを明確にするとともに、新しい対策として,ダクトの両側面に伸縮可能なゴム板を取り付けることを試みた.なぜならこれによりタクトへの送風時に自励音が発生したとき,ゴム板が振動することによって流れ直角方向の共鳴モードを抑えられるのではないかと考えたからであるこのゴム板の振動がタクト内の自励音にどのような影響を与えるかを実験により明らかにしていくとともに,伸縮によるゴム板の張力の変化が自励音に作用する影響についても検討した. 本研究において得られた結果は以下の通りである, 1.空力自励音の発生は渦が音場へ与える励振エネルギと音場が有する音響エネルギの大小で決定される。 2.バッフル板挿入の対策メカニズムは挿入により渦が音場へ与える励振エネルギが小さくなることが本質てある。 3.キャビティを有する複数管群の場合は渦が音場へ与える励振エネルギの総和として考慮する必要がある。 4.ゴム板に加わる張力が大きいほど,ダクト内の音響減衰比ζは小さくなる. 5.管群列数が少ないほど,高い張力のコム板ても空力自励音の抑制が可能となる. 6.過去の実験との比較から,ゴム板を設置することでダクト内の音響減衰比ζが大きくなり,空力自励音が抑制されるという推側が成り立つ.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定では本年度でダクト壁面に有限なインピーダンスを与え、それが小さい場合自励音が発生しないことを実験的に確認し、インピーダンス値と騒音レベルとの関係を明らかにすることになっていたが、それらがほぼ達成されたため。しかしながら実際に用いる材料については今後の課題として残った。これはH24年度に計画されているので今後実施する。
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Strategy for Future Research Activity |
実験的に異音が完全に抑制されることが確認でき、また実際に適用する場合の材料選定などを明確にした後には実機に適用可能な振動板取付方法を考案し、ボイラメーカ(例えば三菱重工、川崎重工、バブコック日立、タクマ)に使用していただくよう働きかける。
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Research Products
(4 results)