2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560238
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
藤原 浩幸 防衛大学校, システム工学群, 准教授 (60531994)
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Keywords | 機械力学・制御 / 翼軸連成振動 / 回転機械 / 磁気軸受 |
Research Abstract |
本研究は原子力発電機用タービンおよび風力発電用のタービンに代表される長翼を持った回転体を対象とし,長翼構造と,回転軸や架台などの支持構造との連成振動メカニズムの解明を行うことで,連成振動の観点から,安全設計手法および安全運転評価指標を開発することを研究の目的とする.平成23年度は,主に,平成22年度に導出した縮小モデルによる数値計算と簡易実験装置による実験結果の比較を実施した. 1.縮小モデルによる翼軸連成振動解析 FEMによる大規模な数値計算によらず,モード合成法に基づく縮小モデルによって,節直径k=1の翼面内振動と回転軸の並進運動との連成,また,直径節k=1の翼面外振動と回転軸の傾き運動との連成について固有値計算を実施した.回転数Ωと翼の固有振動数ωb,および,回転軸の傾き運動の固有振動数ωsとの間にはΩ=1ωb±ωs1の関係が成立する条件で,連成により翼振動が大きくなる計算結果が得られた. 2.実験結果との比較 2.1 0°翼,90°翼,45°翼の回転試験結果と1.の計算結果とを比較し,導出された連成条件で翼の振動振幅が増大することが確認できた.これにより,導出したモデルは,複雑なFEMモデルで長時間のシミュレーションをしなくとも翼軸連成振動問題に対処できることが確認された. 2.2 平成22年度中に実施した実験で発生した過大な振動について簡易モデルで解析し,振動の原因が推察された. 2.3 磁気軸受を回転軸の加振に利用するため,軸が回転中している状態で,磁気軸受が発生できる磁力の測定を実施した.この結果をもとに,来年度,回転軸の傾き振動と軸ねじり振動の連成について検討する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
長翼をもつ回転軸の簡易モデルが導出され,その有効性が簡易実験モデルの一例で確認できたため.
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Strategy for Future Research Activity |
長翼を持つロータでは軸のねじり振動が無視できない場合があり,軸の傾き振動との連成問題を簡易モデルと同様の手法で解析し,磁気軸受の加振実験により連成振動の検証を行う.
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