2010 Fiscal Year Annual Research Report
低流体ノイズ弁による空気圧ベローズ微動ステージのサブナノ位置決め制御法の開発
Project/Area Number |
22560251
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
藤田 壽憲 東京電機大学, 工学部, 教授 (70242279)
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Keywords | 機械要素 / 流体工学 / 空気圧 / 超精密位置決め |
Research Abstract |
本研究では空気圧ベローズで駆動するサーボ弁からの流体ノイズを、すきま流れを利用した絞り弁により低減することによってサブナノの位置精度を実現とすることを目的としている。しかしながら、提案するその絞り弁の特性は低圧力差領域のみ調べられているだけであり、サーボ弁に使用される圧力領域の特性については不明であった。そこで22年度は、すきま流れを利用した絞り弁の特性について明らかにし、ステージを駆動するサーボ弁を実現することを目標に研究を行った。 具体的にはすきま流れを利用した絞り弁を製作し、ステージ駆動に使用される0.5[MPa]までの圧力差と流量の関係を調べた。その結果、一般的な流量特性とは異なり、明確なチョーク領域はなく圧力流量特性は一般的な絞り弁より直線的であること、その関係はすきま流れの式を用いて理論的に算出可能なこと、一般的な絞り弁とは特性が異なるもののISO6358で規定されている空気圧機器の流量特性表示式を適用可能であることなどが明らかになった。 得られた特性を利用して、すきま流れを利用した絞り弁と組み合わせるノズルフラッパ弁を設計し、低流体ノイズサーボ弁の製作を行った。そのサーボ弁の入出力圧力特性、圧力流量特性についても調べた。入力に対して出力圧力は線形であることが望ましいが、すきま流れを利用した絞り弁の特性のため非線形性が大きなサーボ弁となった。しかしながら、制御系の工夫次第で問題はなく、得られた圧力流量特性と併せて目標とするステージの駆動には、十分な特性を有することがわかった。
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