2011 Fiscal Year Annual Research Report
低流体ノイズ弁による空気圧ベローズ微動ステージのサブナノ位置決め制御法の開発
Project/Area Number |
22560251
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
藤田 壽憲 東京電機大学, 工学部, 教授 (70242279)
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Keywords | 機械要素 / 流体工学 / 空気圧 / 超精密位置決め |
Research Abstract |
本研究では空気圧ベローズで駆動するサーボ弁からの流体ノイズを、すきま流れを利用した絞り弁により低減することによってサブナノの位置精度を実現とすることを目的としている。平成22年度はすきま流れを利用した絞り弁の特性を明らかにした。これに基づいて、低流体ノイズサーボ弁の設計・製作し、非線形性が多少、強いもののステージを駆動するのに十分な圧力流量特性を有するサーボ弁を実現することができた。そこで平成23年度は、この製作した低流体ノイズサーボ弁の有効性を検討すること、同時に、これまで位置精度を悪化させていたステージの案内機構を弾性ヒンジから静圧案内に変更し、その効果についても検討することを目標に研究を行った。 低流体ノイズサーボ弁の有効性の検討については、先に製作した弾性ヒンジのステージで用いた。サーボ弁に用いる絞りを一般的な絞り弁と提案したすきま流れを利用したサーボ弁を用いてステージを駆動し、無制御時に流体ノイズにより発生する位置のバラツキを調べ、標準偏差を用いてその大小により定量的に評価した。このステージを一般的なサーボ弁と低流体ノイズサーボ弁を用いてステージを駆動し、静止時の位置変動振幅の大きさを統計的に評価した。その結果、製作した低流体ノイズサーボ弁により流体ノイズによる位置変動振幅を低減できることが明らかになり、低流体ノイズサーボ弁の有効性を確認することができた。また、案内機構の変更による効果の確認については、市販の静圧軸受を利用して新たなステージを製作し、位置変動の周波数解析を行った。その結果、弾性ヒンジ案内のステージに見られたような高い周波数成分は見られず、ほとんど卓越した共振周波数成分もなかった。このことから案内の変更による効果も確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の交付申請時の研究実施計画に記載した内容の実験を行なうことができた。低流体ノイズサーボ弁および案内を弾性ヒンジから静圧案内に変更した効果も確認でき、実験も予想通りの結果が得られた。公募時に予定した24年度に着手できることから順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画通りの結果が得られていることから、最終年度である今年度も公募時の計画に基づいて進める。具体的にはステージの超精密位置決め制御を行い、制御時における低流体ノイズサーボ弁と静圧軸受案内への変更の効果を検証し、製作したステージの位置決め制御の評価を行う予定である。
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