2010 Fiscal Year Annual Research Report
不整地における装軌車両の走行制御手法の構築と自律走行手法の確立
Project/Area Number |
22560252
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
栗栖 正充 東京電機大学, 工学部, 教授 (30287429)
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Keywords | 知能ロボティクス / 知能機械 / 機械力学・制御 / 装軌車両 / 走行制御 |
Research Abstract |
不整地走行用の装軌車両を自律的に移動させるための不整地における自律走行手法の確立を目的とし、本年度は路面からの抗力と滑りを考慮した装軌車両の自己位置推定手法を構築するとともに、実験機の準備を主に行った。自己位置推定手法については、まず、土質パラメータ、抗力、滑りに関する拘束条件と動力学的拘束、運動学的拘束を装軌車両の3次元動力学モデルに統合することで、位置推定のための基礎モデルを導出した。さらに、基礎モデルを基に、滑り速度、土質パラメータ等を状態量としたクオータニオンベースの状態方程式を再構築し、センサの信号を観測量とした観測方程式と状態方程式から、装軌車両の自己位置推定手法を構築した。また、本年度の補助金で購入したMatlabを使用し、構築した推定手法によるシミュレータを作成した。このシミュレータの有用性は次年度より詳細に検討する。なお、提案している装軌車両の軌道追従制御に関して、土質パラメータのうちの摩擦係数と制御性能との関係についてシミュレーションにより詳細に検討を行った結果、横方向の摩擦係数と追従誤差に相関があり、摩擦係数に対して最適な制御ゲインが存在することがわかった。したがって、制御性能を向上させるためには、推定手法から得られる土質パラメータの推定値を反映する制御ゲインの調整器を構築することが今後特に重要である。 実験機に関しては、現有している小型の実験用装軌車両ロボットに加速度センサ、およびジャイロセンサの不足分を追加し、自己位置推定実験で必要となる3軸加速度センサ計5個、1軸ジャイロセンサ計3個を搭載した。
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