2011 Fiscal Year Annual Research Report
不整地における装軌車両の走行制御手法の構築と自律走行手法の確立
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22560252
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
栗栖 正充 東京電機大学, 工学部, 教授 (30287429)
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Keywords | 知能ロボティクス / 知能機械 / 機械力学・制御 / 装軌車両 / 走行制御 |
Research Abstract |
不整地走行用の装軌車両を自律的に移動させるための不整地における自律走行手法の確立を目的とし、本年度は逆最適制御を用いることにより、これまでに提案していた軌道追従制御手法を経路追従制御へ拡張した。この拡張では、追従誤差が生じた場合に目標経路へ復帰させるための局所的な経路が必要となるが、それには新たに構築したクロソイド曲線による局所経路生成法を導入した。拡張した経路追従制御は、時間に拘束されない目標経路に対して追従誤差が生じても、装軌車両が目標経路へ収束することを保証する。無人ダンプの走行等、実際の現場では円弧やクロソイド曲線で構成された目標経路を用いることが多いため、本経路追従手法は、装軌車両の無人運用において重要な役割を果たす。なお、制御手法の有効性については、昨年度開発したシミュレータで検証を行った。この結果、土質パラメータが変化しない地面、および変化が小さい地面においては、経路への追従性が概ね良好であることが確認できたが、走行中に土質パラメータが大きく変化する場所では、大幅に経路への追従性能が低下することがわかった。この点については前年度に引き続き、土質パラメータの推定値を反映する制御ゲイン調整器の構築が課題である。 実験機に関しては、本年度研究経費で購入したRTK-GNSS受信機を搭載し、昨年度搭載した種々のセンサも含め動作の確認を行った。これにより、自己位置推定実験の検証で必要となる自己位置の真値を走行中に実時間で取得できるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は科研費の最終的な交付額の決定および交付が10月まで延びたため、本年度研究経費で購入予定であったRTK-GNSS受信機の購入が予定より遅くなり、計画していた屋外における実験機を用いた自己位置推定手法の検証実験を実施するに至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題では装軌車両の自己位置推定が最も重要であるため、本年度行う計画であった実験機を用いた自己位置推定手法の検証実験は次年度に行う。また、本研究は実環境での有用性が重要となるため、今後構築した手法の有効性については、シミュレーションによる詳細な検討より、屋外での実験機を用いた走行実験による検証を優先的に行う。
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