2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22560255
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
長尾 光雄 日本大学, 工学部, 講師 (90139064)
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Keywords | 筋硬度 / 触診 / 肩こり / 自覚症状 / 粘弾性 / 硬軟 / 生体工学 / 理学療法 |
Research Abstract |
1触診との相関や触診の標準化および触診の代用の可能性について実施した。触診の標準化や客観化については、対象の個体差や臨床医の経験の違いはあるが、触診の曖昧さや個人差を少なくするために、9段階の試料を製作した。これには硬度が異なるスポンジゴムを用いたが、実態との整合性について改善を求められた。これに対応するために。軟質スポンジとゴム板を用いて表層、中層と下層の3層構成とした試料を製作した。中層の硬軟を変化させて、施術時の触診で感じる硬軟が再現できるようにした。臨床医による確認と調整の段階にある。「こおりやまユニバーサルデザインものづくりフェア2011」の会場に持ち込んで、約100名の来場者に肩こりの自己触診を試料に反転してもらったところ、選択肢が多いと迷いがあり、一般の方には5段階程度が良さそうであった。次年度も継続して、触診を標準化する試料について協議しながら提案する。 2診療前後の筋硬度の観察について実施した。大学生を対象としたアンケート調査から肩こり有訴者で試験の同意を得た20~30人に対して実施した。対象は僧帽筋の肩こりとして、手もみと超音波治療器を用いた施術を4~5分間おこない、施術前後の筋硬度を計測した。その結果は、軟化した群、変化なし群と硬化した群の3群に分かれた。弾性定数と微分弾性率の評価では、両者が一致する場合とそうではない場合があった。また、触診の評価と被験者の自己評価も合わせて行い、3群に対応したこれらとの相関の強さを調べたところ、触診と自己評価、触診と弾性定数および触診と微分弾性率には、ある程度の相関が見込めた。触診の判断には、先に示した標準化の試料を用いていないため、対象の個体差も加味され曖昧さも含まれた判断であった。次年度も肩こりで通院する被験者についても継続した調査の必要性を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の進展計画は4つの工程で構成している。次に説明したように、現在まで工程1から3まで進めている点でおおむね順調であると評価した。工程1では、測定者の操作性による結果の信頼性や再現性の改善には測定者の意識と訓練の重要性を提案した。工程2の触診を代用する硬軟試料の試作では、施術者が認める試料の試作を進めている。工程3は、診療前後の肩こり度合の触診と筋硬度にはある程度の相関が見込めた。施術の経過観察は実施計画ではあるが、健康や医療機器関連のイベント会場に出展し、来場者へのアンケートと計測値は得られている。また、連携研究者、研究協力者、およびボランテアや被験者の協力と支援も大きい。
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Strategy for Future Research Activity |
研究課題の推進には、研究代表者を支援する連携研究者や研究協力者からの知恵と協力が必要である。具体的には、触診を代用する硬軟試料の製作には、施術者と企業の連携。施術前後や経過観察のデータ取得には施術者と被験者の連携と協力。肩こりの要因疾患の治療との因果関係による筋硬度の数値化や改善の試験では、臨床医と被験者および柔道整骨師や企業の連携と協力。その一方では、試験テーマによる試験の実施やその後のデータ量が多いため、その準備、実施およびデータの整理には手間暇必要である。これにはアルバイトなど期間雇用により対応する。
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[Presentation] 肩こり・触診治療効果計測装置の開発2011
Author(s)
長尾光雄, 遠藤徳雄, 横田理, 紺野愼一, (株)アスター工業
Organizer
こおりやまユニバーサルデザインものづくりフェア2011
Place of Presentation
ハーモニーステーション郡山
Year and Date
20111105-20111106
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