2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560256
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
田中 豊 法政大学, デザイン工学部, 教授 (70179795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松川 豊 長崎総合科学大学, 工学部, 准教授 (10392846)
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Keywords | マイクロマシン / 機能性流体 / アクチュエータ / 電極 / 流れの可視化 |
Research Abstract |
高電圧を印加した電極間に強力なジェット流が発生する電界共役流体(ECF)の特徴的な流動現象の利用は,マイクロ流体パワー素子の開発に極めて有望である.しかし,その流動現象の発生メカニズムの詳細は未だ明らかとなっていない.本研究の目的は,機能性流体の一種である電界共役流体(ECF)を用いた小形で高出力の流体パワー素子を開発することである. 平成23年度は,昨年度の研究成果に基づきECFの流動現象の数学モデルの修正を行い,この数学モデルに基づいた数値シミュレーションのための計算コード修正を行った.ECFの流動現象は不均一な電界分布により生じるため,電界から力を受ける流体を仮定し,その力により運動する流動現象としてモデル化し,計算を行った.また昨年度製作した流れの可視化実験装置を用いて,種々の条件を変えた流動現象をCCDカメラで観測する実験を行い,一部の結果を数学モデルの計算結果と比較した.しかし可視化実験と計算結果との比較では,未だ数学モデルが流動現象を完全に計算し表現するまでには至っていない.流れの可視化実験および出力の測定実験の結果から,微小電極の形状や配置と流れの特長を把握することが可能となり,電極配置や形状,流路構造などの設計パラメータの把握が可能となり,小形で高出力な流体パワー素子を実現するための設計指針の一部が明らかとなった. 今後はより妥当性のある数学モデルへの修正と検証を行うとともに,得られた流動メカニズムの数学モデルから,最適な電極配置や形状,流路構造などの設計パラメータを求め,小形で高出力なマイクロ流体パワー素子を設計・試作し,その出力特性を明らかにする. 研究の成果は,第4回工作機械と設計に関する国際会議(ICMDT2011),日本機械学会2011年度年次大会,日本機械学会山梨講演会,および第23回フルードパワーシステム国際見本市において発表された.また成果の一部が掲載された書籍「アクチュエータ研究開発の最前線」が発刊された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究分担査者である松川豊が平成23年4月1日より,研究代表者の所属である機関(法政大学)から別の機関(長崎総合科学大学)に移動となり,新しい環境での実験や解析の立ち上げに若干の時間を要した.そのため,担当である数学モデルの修正や再構築にやや遅れが生じた.
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Strategy for Future Research Activity |
研究分担者の研究環境も安定し,本年度は本研究課題への貢献が十分に期待される.昨年度の若干の遅れを取り戻し,本年度は流動現象の数学モデルの提案と構築・妥当性の検証を完了し,この流動メカニズムの数学モデルから,最適な電極配置や形状,流路構造などの設計パラメータを求め,小形で高出力なマイクロ流体パワー素子を設計・試作し,その出力特性を明らかにする.平成24年度中に目標を達成し研究を終了する.
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Research Products
(5 results)