2012 Fiscal Year Annual Research Report
光学式振動型センサのための光ファイバ先端でのマイクロ光造形システムの構築
Project/Area Number |
22560258
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Research Institution | Gifu National College of Technology |
Principal Investigator |
稲葉 成基 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (30110183)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 光造形 / 光ファイバセンサ / マイクロマシン |
Research Abstract |
光ファイバ先端に、光駆動のマイクロセンサやマイクロアクチュエータ等を構築するための光造形法を確立することを目的としている。具体的には、光ファイバ先端の断面に構築するシステムと、光ファイバ先端の側面に構築するシステムを開発する。5年計画の3年目であり、前年度までの基礎的な研究を発展させた。研究の成果を研究の目的及び計画と照らし合わせて以下に記す。番号は今年度(平成24年)の交付申請書の番号と対応している。 1)光ファイバ先端の断面に光駆動マイクログリッパを製作しその基礎的な特性を測定した。2)光ファイバ先端の断面に光駆動マイクロクリーナを製作しその基礎的な特性を測定した。特性を評価する新しい手法として、レーザマイクロマニュピレーションを取り入れ、性能を定量的に評価できる可能性があることが明らかになった。3)光ファイバの回転システムと顕微鏡システムと組み合わせた、光ファイバ側面での光造形装置を完成させた。側面に光造形を施し、光ファイバをエッチングで取り除いてマイクロクリーナを製作した。上記のレーザマイクロマニュピレーションによる評価方法では、従来の5倍以上の性能があることが明らかになった。4)シングルモードファイバによる光造形に関する基礎的な特性を測定した。5)振動型センサを構築するための前段階として、ガラスマイクロキャピラリーを用いた光駆動振動子を製作した。 前年度に一部の成果については学会発表や論文で公開した。今年度については、レーザマイクロマニュピレーションによる新しい評価方法を模索しているので、製作したマイクロ構造物に関する特性を確固としてから学会発表をしたいので、発表を見送っている。ある程度まとまった段階で公開する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
光ファイバ先端断面での造形物の構築およびその特性の測定は順調に進展している。先端側面での構築物の特性の測定が若干遅れている。 シングルモードファイバを用いた手法は当初計画にはないものであり、予定以上に進展している。 また、マイクログリッパ及びマイクロクリーナ―等の造形物に関する新たな知見が得られつつある。構築物のレーザマイクロマニュピレーションによる評価は、平成24年度から新しく取り入れた手法である
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Strategy for Future Research Activity |
光ファイバ先端でのマイクロ光造形装置についてはほぼ完成している。今後は本装置を利用して、マイクロセンサ及びマイクロアクチュエータを製作し、その特性を測定する過程を通じて、装置の改良を行う。また、光駆動マイクロクリーナーの特性を評価する新たな方法として、レーザマイクロマニュピレーションを取り入れたところ、非常に興味深いデータが得られ始めている。集中的に実験を進めたい。 以上の背景により、平成25年度は具体的に下記の計画で実施する。 1)構築した光造形システムで、光ファイバ先端にさらに高性能な光駆動マイクロクリーナを製作する。その特性はレーザマイクロマニュピレーションを利用して測定する。2)シングルモードファイバを用いた光造形システムで、光ファイバ先端に光駆動マイクログリッパを製作し、その特性を測定する。3)シングルモードファイバを用いた光造形システムで、光ファイバ先端に光駆動マイクロクリーナを製作し、その特性はレーザマイクロマニュピレーションを利用して測定する。4)構築した光造形システムで光ファイバ先端に光駆動マイクロバイブレータを製作し、その特性を測定する。5)光駆動マイクロバイブレータによる振動型センサの可能性をはかる。 すでに学会発表や論文で公開している成果もあるが、今後も、ある程度まとまった段階で公開したい。
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