2012 Fiscal Year Annual Research Report
革新的次世代超伝導技術であるイットリウム系コイルの反磁性効果による問題の研究
Project/Area Number |
22560263
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中込 秀樹 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20375611)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | イットリウム系高温超伝導線材 / 遮蔽電流 / 反磁性効果 / コイル |
Research Abstract |
次世代超伝導技術であるイットリウム系高温超伝導線材(イットリウム系線材)は、安価な液体窒素により冷却可能であり、さらに従来から使われてきた超伝導線材を大きく上回る臨界電流特性と強度をもつため、様々な機器への応用が期待されている。しかしながらイットリウム系線材で制作した直流コイルは、遮蔽電流と呼ばれる特有の電流が発生することで、大きな反磁性効果をもち、中心磁場が大幅に減少して設計した通りの磁場が発生させられなくなる。これはイットリウム系線材の直流応用機器の実用化にとって重大な問題になりうる。本研究では実験と数値解析を用いて(1)コイル形状・線材形状と反磁性効果の関係を明らかにし、(2)反磁性効果を大きく低減する手法を構築することを目的とし、実験と数値計算による検討を進めてきた。 これまでの研究で、線材やコイルの形状が反磁性効果に与える影響を明らかにしてきた。本年度は数値計算技術を用いて、コイルの温度を変化させた場合に反磁性効果がどのように変化をするか、検証した。これまでの研究で確立してきた数値計算の手法にコイルの温度と超伝導体の臨界電流密度の関係を組み込んだ。これによって、コイルを通電した状態で、コイルの温度を変化させるオペレーションを想定した数値計算が可能になった。これは実際のコイルにおいて、冷凍機の温度を変化させたり、コイルの低温容器内の圧力を変化させたりすることに対応する。コイルの通電中に温度を上昇させた場合、反磁性効果が小さくなることが明らかになった。これは超伝導体の臨界電流密度の低下が起きるため、遮蔽電流が減衰するためである。この効果はコイルの負荷率(通電電流とコイル臨界電流の比)が大きいほど顕著に現れることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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