2011 Fiscal Year Annual Research Report
集積化を指向した低ノイズ高パワー密度フライングキャパシタマルチレベルインバータ
Project/Area Number |
22560264
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
佐藤 之彦 千葉大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50205978)
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Keywords | 電力変換器 / マルチレベル / ノイズ低減 / 高パワー密度 / 集積化 |
Research Abstract |
平成23年度は,フライングキャパシタ方式のマルチレベルインバータの諸特性の解明と,平成22年度の実績を踏まえた第;次実験装置を構築し実験的検討を行った。得られた実績は以下のとおりである。 [1]平成22年度に理論的に解明したフライングキャパシタ電圧の変動に関して,検証実験を実施し,構築した理論の妥当性を実証した。 [2]第二次実験装置として,出力500Wのフライングキャパシタ方式の7レベル三相インバータを試作し,基礎特性に関する実験データを取得した。この試作装置では,主回路スイッチ素子の所要耐圧が低くできることから低耐圧で低オン抵抗の表面実装タイプのMOSFETを採用することにより,高効率を実現すると同時に放熱器を不要とすることができ,集積化の実現可能性を明確にすることができた。 [3]フライングキャパシタ周辺の寄生インダクタンスや主回路スイッチ素子の特性に起因して発生する電磁ノイズの発生機構について詳細に検討し,逆並列ダイオードの逆回復現象による電磁ノイズが支配的であること,マルチレベル化により,その逆回復現象に起因する電磁ノイズの低減が可能であることを理論的,実験的に解明した。 [4]以上の理論的,実験的検討結果に関して,米国フェニックスで開催されたIEE EECCE(Energy Conversion Conference and Exposition),電気学会産業応用部門大会,電気学会全国大会で成果発表を行い,この分野の国内外の研究者と最新の情報交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画で予定していた理論的検討および実験的検証がほぼ完了しているため,順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画に基づいて研究が順調に進展していることから,最終年度である平成24年度も当初計画に沿って研究を実施する。具体的には,これまでの成果を活用し,最終目標である出力1.5kW程度の誘導電動機を駆動できるフライングキャパシタマルチレベルインバータの試作を行い,総合的な特性評価を実施する。また,研究全体を総括し,論文を取り纏めて国内外に発表する。
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Research Products
(6 results)