2011 Fiscal Year Annual Research Report
同期発電機内部情報を活用した新しい電力系統解析モデルに関する基礎研究
Project/Area Number |
22560267
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
松木 純也 福井大学, 工学研究科, 教授 (90089110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田岡 久雄 福井大学, 工学研究科, 准教授 (30367502)
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Keywords | 電力系統 / 同期発電機 / 空隙磁束 / 制動巻線 |
Research Abstract |
本研究は、従来ほとんど利用されていない同期発電機内部の空隙磁束及び制動巻線電流を積極的に活用した新しい電力系統解析モデルを構築して、電力系統の解析並びに運用技術の高精度化に資することを目的とした基礎研究である。 本年度の成果は以下のとおりである。 (1)前年度から継続して実施した、系統に高調波ひずみや三相不平衡状態がある場合の制動巻線の効果に関する実験的検討の結果を、学会誌論文として完成し投稿し掲載された。また、制動巻線の本数を変化させた場合及び極間接続の有無による制動巻線効果の評価についても詳細に検討した論文を完成し投稿し掲載された。 (2)空隙磁束の数学的解析モデルを構築し、実験結果と比較しその妥当性を検証した論文を学会誌に投稿し、現在審査中である。 (3)TCSC(Thyristor-Controlled Series Capacitor、サイリスタ制御直列コンデンサ)による系統安定度向上効果について、コンデンサの容量を変化させて実験と解析を行った。すなわち、本学所有の模擬送電線設備において一機無限大母線系統を構成し、購入したDSPボードを用いたデジタル制御系によってTCSCのパラメータをリアルタイムで調整することにより、系統安定度向上効果を実験的に検討した。またMatlabを用いたシミュレーションプログラムを作成して、実験結果を比較し良好な計算結果を得た。これにより、実験では2種類の容量でしか検討できないが、シミュレーションにより、コンデンサ容量を連続的に変化させた場合の安定度向上効果を検討する準備が整った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ当初計画通り検討が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
空隙磁束に関して数学的解析モデルがほぼ完成したので、従来からのParkに基づく解析モデルとの関連付けを行って、系統解析技術の高度化を目指す予定である。
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