2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560272
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Research Institution | 公益財団法人応用科学研究所 |
Principal Investigator |
山本 修 公益財団法人応用科学研究所, その他部局等, 研究員 (70093333)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 真空沿面放電 / 帯電現象 / 帯電電荷分布 / 放電電圧 / 表面粗さ / 個体絶縁物 / スペーサ / 電極材料 |
Research Abstract |
本研究は真空中の沿面放電機構を解明することにより、コンパクトで信頼性の高い真空高電圧機器の絶縁設計指針を明らかにすることを目的としている。本年度は放電の引き金となる帯電電荷の分布を考慮して放電電圧を理論的に求める方法を検討し、実験結果をよく説明する理論式を得た。すなわち、Pillai 等の提案による帯電と脱離ガス量を勘案した放電電圧の理論式を基にし、これに筆者らが開発した電荷分布の数値計算結果を組み込んだ理論式を用いて次の結果を得た。 ① 帯電量に影響する試料の平均表面粗さをサブμm~数μmの範囲で変化させたガラス、高分子、セラミック等の試料について理論放電電圧と実験値が一致することを確認した。 ② 表面の粗さを部分的に変えて、帯電電荷分布を意図的に変えた試料に対しても理論放電電圧と実験値が一致することを確認した。 ③ 表面が滑らな試料での帯電量に対して10%以下となるような表面粗さの条件では、放電電圧が電極材料の影響を強く受けることも明らかにした。この結果は、真空中の沿面放電電圧は電極材料に依存しないと考えられていた従来の知見と異なる、新しい知見である。 以上により、真空中の沿面放電において帯電現象が支配的な役割を担っていることを確認した。また、放電電圧を定量的に明らかにする計算法を確立した。これらにより本研究の目的を達成した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)