2011 Fiscal Year Annual Research Report
空間的電界ベクトル分布時系列測定装置を用いた絶縁液体の絶縁回復特性に関する研究
Project/Area Number |
22560276
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
井堀 春生 愛媛大学, 理工学研究科, 准教授 (70249861)
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Keywords | 誘電体物性 / 液体絶縁体 / 絶縁回復 / 電界測定 / カー効果 |
Research Abstract |
本年度申請書に記載した実施計画は次の3点であった。各々の進捗状況を以下に述べる。 1)昨年に引き続き、電極空間に照射されたレーザ光強度を電圧印加に同期させて連続的に測定する方法を開発する。 2)データ処理プログラムの作成および電界分布再構成プログラムの改良に着手する。 3)液体絶縁体中に交流高電圧を印加し、電界の時間変化を測定する。 ※光学系の構築は完成したが、これまでの結果と比較したところ、必要とされるデータを取得ができていない可能性が高く、我々の実験に適応させる工夫がなお必要である。しかしながら、直線上のデータは良好な結果が得られており、電極間の電界分布を連続的に測定することが可能となった。さらに、これを利用して、電極間の空間電荷分布の時間変化を示すことができた。液体中の空間電荷分布の時間変化測定は、ほとんど例がなく、非常に価値の高い成果で、これに関して、現在、論文を投稿中である。 ※昨年から行ってきた電界分布再構成プログラムの改良については、今回の研究で行う予定であった内容についてはほぼ完了し、シミュレーション段階では良好な結果が得られている。データ処理プログラムについても、ほぼ完成していると思われるが、先述のようにCCDカメラのデータと従来のデータが異なる点については、本プログラムのバグの可能性もあるので、精査する必要がある。 ※予算配分の遅れにより、当初の予定より高圧アンプ電源の購入が大きく遅れたため、交流印加についてはまだ結果が得られていないが、本来の目的である絶縁破壊後の液体の絶縁回復特性を検討するための、基礎的なデータおよび比較用データ等の取得に努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
空間的にデータを取得するシステムが完成していない点がマイナスであるが、本来の目的である液体絶縁体の絶縁自己回復については検討可能なシステムの構築がすでに完了していること。また、副産物として、液体中の空間電荷の時間変化測定というこの分野で例のないデータが得られたことから、おおむね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
液体絶縁材料を一度絶縁破壊させ、その後の放置時間による残留電荷の変化の様子や、再度電圧を印加したときの電界、電荷分布の様子などを絶縁破壊させていない液体と比較することによって、本研究の目的である液体絶縁体の絶縁自己回復液体の絶縁回復の特性についての検討をおこなうことを第一とする。 また、あらたに可能となった、空間電荷分布の時間変化測定において実験条件をいろいろと変化させてデータを取得し、液体絶縁体中の電気伝導についての考察をおこなう。 これらの成果を論文として投稿し、学会等にて発表する。
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Research Products
(7 results)