2011 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光ランプの放電生成・維持機構の解明と最適制御による高効率・長寿命化
Project/Area Number |
22560277
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山形 幸彦 九州大学, 総合理工学研究院, 准教授 (70239862)
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Keywords | 蛍光ランプ / 省エネルギー / 長寿命化 / エミッター / レーザー誘起蛍光法 / 熱放射スペクトル法 / 電極温度分布 / 熱陰極グロー放電 |
Research Abstract |
高効率で長寿命の蛍光ランプ(FL)設計指針提示を目標として,エミッターの放出と電極温度の相関解明のためのレーザー誘起蛍光法によるエミッター粒子の密度計測,熱放射スペクトル法による電極温度分布計測,及びHgの発光強度を含めた放電内部パラメータ等を予測するシミュレーションの開発を行った.実験的には,ガス種と圧力がエミッター放出と電極温度分布に与える影響,及び電極温度分布の外部加熱電流(I_f)依存性を調べた.ガス種や圧力によって,熱陰極グロー放電の維持に最も重要なホットスポット温度が変化し,放電電圧とエミッター放出量もそれに依存するため,高効率・長寿命のFL設計のためには,シミュレーションによる最適なフィラメント電極設計が必須であることを改めて示した.また,放電電流(I_d)のみの場合に生じるプラズマの空間的偏在に起因する急峻な電極内の温度勾配を,I_fを流す事で一様な温度分布に制御できる事が明らかとなった.様々な電極コイルに対して,位相制御したI_dとI_fとでシミュレーションし,空間的に一様で低い電極温度を実現し,放電維持に十分な熱電子放出量の確保とエミッターの放出抑制を可能とするFL設計条件を見出すことが可能であることが示唆された.また,FL管径,内壁温度,及びガス種と圧力をパラメータとして,プラズマ陽光柱部分の電子温度,電子密度,及びHg紫外線の発光強度や発光効率等を出力できるシミュレーション開発を行った.純Ar雰囲気中では,Hg紫外線発光効率のI_d,及び投入電力依存性は実験値と良く一致し,本シミュレーションの妥当性が示された.本年度の研究により,ガス種や圧力,位相制御したI_fによる電極温度分布や放電状態の変化等の実験結果の蓄積,プラズマ陽光柱部分のシミュレーション開発がなされ,次年度以降の電極部分を含めたシミュレーションを行う上で重要な知見を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究により,ガス種や圧力,位相制御したI_fによる電極温度分布や放電状態の変化等の実験結果の蓄積,プラズマ陽光柱部分のシミュレーション開発がなされ,次年度以降の電極部分を含めたシミュレーションを行う上で重要な知見を得た.
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Strategy for Future Research Activity |
汎用の熱流体解析ソフトウェアを用いて,様々な電極コイル,放電条件下における電極温度分布を予測する電極シミュレーションを完成させる予定である.その上で,本年度開発したプラズマ陽光柱部分とで,放電電流を受け渡しパラメータとして,両シミュレーション問の整合を取り,FL全体のシミュレーションとして完成させる.様々な条件下でシミュレーションを行い,高効率・長寿命FL開発の設計指針の提示を目指す.
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