2011 Fiscal Year Annual Research Report
外部磁界によって駆動可能な体内埋込用マイクロポンプの高吐出圧力化
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22560279
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
本田 崇 九州工業大学, 大学院・工学研究院, 教授 (70295004)
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Keywords | マイクロポンプ / マイクロマシン / 永久磁石 / ワイヤレス駆動 / 磁気応用 / 経皮的駆動 |
Research Abstract |
本研究は、体内埋込型のマイクロ医療デバイスやカプセル内視鏡への搭載を想定し、外部磁界によって経皮的駆動でき、かつ高吐出圧力特性を有するマイクロポンプの開発を目的とする。昨年度は外部磁界で駆動可能な2種類(揺動型とピストン型)のポンプの拡大モデルによって設計指針を明らかにした。2年目の本年度は、初年度の結果に基づいて、両ポンプをmmサイズまで小型化し、ポンプ特性の評価を行った。得られた結果は、以下の通りである。 (1)揺動型マイクロポンプ 外径4mm、内径3mmまで小径化し評価を行った。スケーリング則に基づき弾性板の最適寸法を導出することでポンプ特性の低下を最小限に抑えた。また、拡大モデルで圧力増加に効果のあった直列接続を適用し、5連結において6kPaの吐出圧力を得ることができた。 (2)ピストン型マイクロポンプ 振動子とピストンに分けて検討を行った。はじめに振動子を拡大モデルと同じとし、ピストンの外径を3mmから2mmまで細径化した。その結果、ピストン断面積の減少が吐出圧力の増大に効果があることを示した。振動子の小型化については着手できなかったが、実験の過程において振動子の形状を調整することで双方向送液システムへと展開できる可能性を示した。 (3)実際の動作環境を模擬した装置の作製 体内埋込型マイクロデバイスの姿勢に合わせて磁界を印加するための基礎検討として、2軸のヘルムホルツコイルを作製した。面内の任意方向に磁界印加が可能になるとともに、カプセル内視鏡等の医療機器の姿勢を制御できることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通り前年度の設計指針を基に揺動型とピストン型の2種類のポンプの小型化と評価を並行して実施した。ピストン型の小型化において一部未達の箇所があるが、これまで得られた結果から判断すると最終年度は揺動型ポンプに絞って進める可能性が高く、本研究の目的を達成する上で障害にはならないと考える。また、駆動装置に関しても研究実施計画通り2軸コイルの作製を行うことができ、総合的に見ておおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は本研究の最終年度であり、医用マイクロポンプとして可能性について総括しなければならない。2つのポンプのうちこれまで良好な結果が得られている揺動型を重点的に取り上げ、医療デバイスへの応用を想定した検討を行う。具体的にはカプセル内視鏡等への搭載するための検討と、3軸のコイルによる駆動方式の検討を行う予定である。
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Research Products
(2 results)