2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560283
|
Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
松山 達 創価大学, 工学部, 教授 (40247284)
|
Keywords | 静電気 / 摩擦帯電 / 電荷緩和 / 表面電位 |
Research Abstract |
本研究は,超高入力インピーダンス接触型電位計を用いて新奇な計測システムを開発し,絶縁性フィルムと金属板の接触-分離時の表面間電位差を,表面間距離の関数として直接測定する方法を確立しようとするものである。これにより,いわゆる摩擦・接触帯電時の帯電量決定プロセスが,接触による電荷発生プロセスなのか,あるいは接触面分離時に生じる放電による電荷緩和プロセスなのかと言う,これまで続いて来た学説論争に終止符を打つ,「学説選択実験」を実現することを目標としている。 本研究初年度である平成22年度には,提案する新奇装置の詳細設計と実製作を行った。 1.高分子フィルムと金属平板の接触・分離系の確立: 接触ギャップを1μm以下の精度で制御・計測しつつ,0~数十μmの範囲で変化させることができ,更に,粗動条件では10μm程度の制度で1000μm程度までギャップを変化させられるような,高分子フィルム-金属平板の接触・分離機構を開発した。粗動・微動ピエゾステージによるハイブリッド-軸駆動ステージを設計・製作した。 2.表面間電位差変化の,0~2kV程度のレンジでの計測の実現: 超高入力インピーダンス接触型電位系のプローブを改造して,高分子フィルムの裏側から固定し,この測定ヘッドを上記ギャップ駆動系と接触させるようにした。 以上の内容で,装置設計と製作を行った。装置製作に伴って予備的に行った実験では,まだ,はっきりとした結論を含意するような測定値は得られていない。個々の部品は完成したが,肝心の接触部分について,チューニングが必要な段階である。また,データのスキャン速度依存性など,想定外の特性が出ていて,測定器感度・ドリフト等について注意深い検討が必要であることが解った。次年度は,これらの点を解決・装置チューニングを行って,本格的なデータ取得を可能にすることを作業目標とする。
|