2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560283
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
松山 達 創価大学, 工学部, 教授 (40247284)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 静電気 / 摩擦帯電 / 電荷緩和 / 表面電位 / 放電 |
Research Abstract |
本研究では,超高入力インピーダンス接触型電位計(Trek Model 820)を用いて,絶縁性フィルムと金属板の間の,接触―分離時の表面間電位差を,表面間距離の関数として直接測定する新奇な計測システムを開発した。具体的には以下の機能要素を確立した。 (1)接触ギャップを1 μm 以下の精度で制御・計測しつつ,0~数十μmの範囲で変化させることができ,更に,粗動条件では10μm 程度の制度で1000μm程度までギャップを変化させられるような,高分子フィルム―金属平板の接触・分離機構を,粗動・微動ピエゾステージによるハイブリッド一軸駆動ステージによって実現した。 (2)超高入力インピーダンス接触型電位系のプローブを改造し,金属製プローブヘッドに高分子材料をコーティングした測定ヘッド作成し,上記ギャップ駆動系と接触させるようにした。これにより,表面間電位差変化の,0~2 kV程度のレンジでの計測を実現した。 以上により,高分子薄膜と金属板の接触状態からスタートして,接触面の分離・再接近過程での電位差変化を実現した。電荷固定条件下での電位曲線は,分離・再接近時の電位曲線が完全に一致し電位差計測系の健全性を確認した。一方,分離時の電位立ち上がりの途中で,急峻な電位減少を認めるデータも取得できた。これは,放電緩和に依って電荷が部分的に緩和したことを直接的に示している。また,この緩和は全電荷が失われる完全緩和ではなく,一定量の電荷が緩和していること示された。加えて,残留電荷に依る電位変化は,電荷減少分に依る絶対値の変化はあるが,残留電荷量に対応して,接触ギャップ変化に伴う静電容量変化による電位変化が健全に計測されていることを示した。これらにより,接触面分離時に面間放電に依る部分的な電荷緩和が生じることが示され,接触帯電量決定メカニズムとしての,電荷緩和モデルを実証することができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)