2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22560291
|
Research Institution | Kagoshima National College of Technology |
Principal Investigator |
楠原 良人 鹿児島工業高等専門学校, 電気電子工学科, 教授 (50551694)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉 政明 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (50336939)
後藤 雄治 大分大学, 工学部, 准教授 (00373184)
|
Keywords | 燃料電池発電 / 磁場計測 / 磁場グラフィック表示 / 可視化 / MEA内電流分布 / 燃料電池作動状態解析 / 非接触計測 / 燃料電池性能向上 |
Research Abstract |
固体高分子形燃料電池(PEFC)は、発電効率が高く、CO2排出量の削減が可能であり、NOxやSOx等の大気汚染物質の排出量削減などの利点から、自動車や家庭用コジェネレーションにおける再生可能エネルギー源として期待されている。しかしながら、その運転にあたっては、ガス拡散などにより発生する発電ムラの低減が発電効率の重要な課題となっており、PEFCの電源装置としての本格的導入には、更なる発電効率の向上、長寿命化および製造コスト削減などの課題がある。 本研究では,固体高分子形燃料電池の発電時に発生する発電磁場をMIセンサ(MI:Magneto-Impedance sensor)を用いて非接触で計測する装置を開発することを目標としている。磁場分布を電流分布へ変換することにより、電池内部の発電状態を可視化し、作動状態を解析できる装置開発を目指すとともに燃料電池開発における性能・寿命等の向上に資することを目的としている。平成23年度は、磁場分布・電流密度を計算するアプリケーションを開発することを目標とした。燃料電池のエンドプレートを格子状にn分割し、各分割の中心にMIセンサを置き、磁場を測定する。これにより、格子の区間内では、電流が一様であると仮定して、発生磁場からの発電電流の数値計算を行うものである。具体的には、エンドプレートのxy方向の幅、z方向の厚さなどの各座標が定まっておれば、各座標の磁場は、ビオ・サバールの法則により、(磁場:H_n)=(位置関係によって決まる係数:a_<ij>)×(電流値I_n)の形で表すことができる。電流と磁場をx方向とy方向に分けて考えると磁場は電流に直交する向きに発生することから、z方向に発生する磁場は無視するとして、x方向、y方向のそれぞれの成分に分けて考えることができる。この考え方を微小導体に適用して、プレートの幅で2重積分して、磁場を計算する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
固体高分子形燃料電池セルの発電特性を解析するための磁場計測装置を試作し、その動作を確認することができた。この装置を用いて、セルの発電磁場を計測し、セルの発電状態を可視化することは可能となった。燃料の水素、空気(酸素)の注入量により、発電状態が変化していることを可視化することはできた。しかしながら、その磁場分布から電流密度を計算し、セル内部の物質移動の状態を明らかにする目標が達成されていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度までに開発した、発電磁場測定装置を用いて、固体高分子形燃料電池セルの発電磁場を計測し、それを可視化することは達成できている。3次元磁場表示から発電状態を確認することは可能となった。しかしながら、測定磁場データから、電流密度に変換してセル内部の発電状態を推定するところに至っていない。今後は、研究の目標を達成するために、電流密度への変換数値計算アルゴリズムを見直すとともに、市販されている磁場・電流解析ツールなどを用いて、電流密度を計算することも試行してみたいと考えている。
|
Research Products
(3 results)