2011 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ波フリーキャリア吸収法による非熱平衡プロセス処理起因欠陥とその制御研究
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22560292
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
鮫島 俊之 東京農工大学, 大学院・工学研究院, 教授 (30271597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 智久 神奈川大学, 理学部, 教授 (60386810)
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Keywords | 光誘起フリーキャリヤ / マイクロ波吸収 / キャリヤライフタイム / キャリヤ再結合 / キャリヤ拡散 / 水蒸気熱処理 / レーザ加熱 / ソーラーセル |
Research Abstract |
(1)23年度研究計画にのっとり多波長光照射誘起キャリヤによるマイクロ波吸収システムを構築した。前年度までに開発した装置に635nmと980nmのレーザ光源を取り付けて多波長光源による少数キャリヤライフタイムτeffを測定するシステムを完成した。さらに駆動ステージを導入して最大8インチサイズのシリコン基板全体のτeff分布を測定するシステムを構築した。 (2)シリコンは635nm光の侵入長が2.7μmと小さいのに対して980nmの場合には123μmと大きい侵入長を持ち、基板奥深くでキャリヤが発生する。光侵入長の違いはキャリヤの発生場所の違いを生み、シリコン中欠陥の量と分布の解析が可能になる。本目的のために光侵入長によるキャリヤの発生、及びキャリヤ拡散と消滅挙動を有限要素プログラム化した数値解析プログラムを開発した。本プログラムを用いることにより、多波長光照射マイクロ波吸収データで得たτeffを解析してシリコンバルクライフタイム及び表面再結合速度の算定が可能になった。 (3)本手法の検証として、n型ベアシリコン、両面に熱酸化膜付きn型シリコン基板、ベアシリコンの場合、635nm光照射τeffは約1μsと小さかったが、980nmの光照射ではτeffが10μsと大きくなった。これは980nm光照射で基板奥深くで発生したキャリヤがシリコン表面で拡散して消滅することを示している。即ちシリコン結晶バルクは欠陥少なく良質であり、シリコン表面に高密度の再結合欠陥が局在することが明らかになった。これに対し、両面熱酸化膜付きシリコン基板は約2msとτeffが大きく、且つ635nmと980nmの光照射の場合で殆ど同じ結果となった。この結果はシリコン表面が熱酸化により良好にパッシベーションされ、キャリヤ消滅が結晶表面のみに支配されない事を示している。 (4)これらの成果を特許出願及び24年度開催の国際会議に投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
年度計画の多波長光照射マイクロ波吸収装置開発と共に、8インチクラスの基板の少数キャリヤライフタイム分布自動測定装置の開発と、解析プログラムの構築に成功した事。
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Strategy for Future Research Activity |
22年度に開発した周期的パルス光照射法による少数キャリヤライフタイム計測法と、23年度に開発した多波長光照射少数キャリヤライフタイム計測法を融合したシステムを構築した、新規高精度少数キャリヤ計測システムを完成させる。そして半導体素子作成に必要な様様なプロセスにおける再結合欠陥の発生の検証を行う。本情報を元に、低欠陥高性能半導体素子作成プロセス技術の提言を行う。
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