2011 Fiscal Year Annual Research Report
MEIS-TOF-ERDAを用いた次世代MOSプロセス極浅接合評価技術の開発
Project/Area Number |
22560295
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
阿保 智 大阪大学, 極限量子科学研究センター, 助教 (60379310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高井 幹夫 大阪大学, 極限量子科学研究センター, 教授 (90142306)
若家 冨士男 大阪大学, 極限量子科学研究センター, 准教授 (60240454)
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Keywords | イオンプローブ / ERDA(弾性反跳粒子計測法) / TOF(飛行時間計測) / 低エネルギーイオン注入 / トロイダル静電アナライザ / SSRM |
Research Abstract |
平成23年度は、22年度に開発を行ったMEIS-TOF-ERDA計測系を用いて、ボロン堆積試料および注入試料の計測を行い、時間分解能の評価とボロン深さ分布計測を行った。ボロン堆積試料は、ハンガリー科学アカデミーにて作製を行った(研究協力者ハンガリー科学アカデミーDr.Tivadar Lohner, Dr.Gabor Battistig)。ボロン注入試料は、様々なアニール条件の低エネルギー注入試料を作製した(研究協力者ルネサスエレクトロニクス岩松俊明博士)。また、平行してボロン注入試料のSSRM計測を行った。 1,ボロン堆積試料計測 22年度にはボロン注入試料で、MEIS-TOF-ERDA計測系開発を行った。注入試料は計測系の構築には有用であるが、深さ毎にボロン濃度が異なるため分解能評価は難しい。そこで、23年度にはMEIS-TOF-ERDA計測系の時間分解能評価をボロン堆積試料で行った。ボロン堆積試料は深さによりボロンの有無のみが変化するため計測系評価に有用である。100keVの窒素もしくはアルゴンイオンで求めた時間分解能は100ns程度で、ボロンとシリコンの分離が可能であった。 2,ボロン注入試料計測 ボロン堆積試料計測によりボロンとシリコンの分離可能な時間分解能を達成したため、ボロン注入試料(2keV,1.5x10^<16>/cm^2)のMEIS-TOF-ERDA計測を行い、ボロン深さ分布を明らかにした。TOF-ERDAスペクトルでは反跳したボロンとシリコンが分離されていた。また、エネルギーによりボロンとシリコンのスペクトルが互いに交差しており、時間分解能を改善することで深さ分解能が向上することがわかった。 3,ボロン注入試料電気伝導特性評価 低エネルギーボロン注入と短時間アニール処理を行った試料のSSRM計測を行い、MEIS-TOF-ERDA計測結果の妥当性を検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
22年度までのMEIS-TOF-ERDA計測系の構築、23年度までの質量分離の分解能評価を完了しており、概ね順調に進展している。また、更に時間分解能を改善することで、深さ分解能を向上する余地があることを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度には、次世代MOSプロセスで使用される様々な条件でアニールを行った低エネルギー注入試料の計測を行い本研究で開発した計測法の実証を行う。また、時間分解能の改善による深さ分解能の向上についても検証する。時間分解能はパルサーを高速化することで改善されるが、収量の減少の原因ともなるため、実証実験結果と比較を行い最適なパルス幅を決定する。
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Research Products
(2 results)